ホンダ・パルディン

ホンダ パルディン：ロードパルを進化させた個性派原付

1978年、ホンダはロードパルシリーズに新たなモデル、パルディンを発表しました。ロードパルの人気を受け継ぎながら、洗練されたデザインと独自の機能で多くのユーザーを魅了した、個性的な原動機付自転車です。

ロードパルとの共通点と相違点

パルディンは、先に発売され人気を博していたロードパルをベースに開発されました。そのため、いくつかの共通点が見られますが、同時に多くの点で差別化が図られています。

ロードパルと同様に、パルディンもペダルを漕いでエンジンを始動させる仕組みを採用していましたが、その方式は大きく異なります。ロードパルの初期モデルでは、ゼンマイを手で巻いてからエンジンを始動させる必要がありました。しかし、1977年以降のロードパルL以降では、後輪が回転することでゼンマイが自動的に巻き上げられる自動巻き式が採用され、より手軽な始動が可能となりました。パルディンでもこの改良されたシステムが採用され、クイックボタンを押しながら後輪ブレーキレバーを引くだけでエンジン始動できるようになっています。

一方、外見や機能面では、ロードパルとの違いが明確です。パルディンは直線を基調とした、スポーティでシャープなデザインが特徴です。ネイキッドスポーツモデルを思わせるような、独特のフレーム形状も個性を際立たせています。また、ヘッドライトとメーター類は個々に分離されたデザインとなっており、ロードパルとは異なる洗練された印象を与えています。

さらに、ロードパルではリヤキャリアの下に燃料タンクが設置されていたため、給油時には荷物を下ろす必要がありましたが、パルディンでは燃料タンクがシート下に配置され、給油の利便性が向上しています。

パルディンの魅力：デザインと機能性の融合

パルディンは、単なるロードパルの派生モデルではありません。ロードパルが持つ実用性を維持しつつ、洗練されたデザインと革新的な機能を追加することで、より高い魅力を持つ原動機付自転車に仕上がっています。

そのスタイリッシュなデザインは、当時としては斬新で、多くの若者から支持を得ました。直線的なフレームと分離型メーターは、他の原付にはない個性的なスタイルを確立し、所有する喜びを与えてくれます。

一方で、シート下の燃料タンクや、改良されたクイックスターターシステムは、実用性という面でも優れていました。これらの工夫により、パルディンは日常使いにも適した、扱いやすい一台となっています。

英字表記がPALADINであることから「パラディン」と呼ばれることもありますが、正式名称は「パルディン」です。その名は、独特の個性と、高い実用性を兼ね備えたこの原付の魅力をよく表していると言えるでしょう。

まとめ：時代を超えた魅力

現在では生産終了となっているパルディンですが、そのスタイリッシュなデザインと、使いやすさを両立させた高い完成度は、多くのファンを魅了し続けています。ホンダが誇る原動機付自転車の歴史において、重要なモデルの一つと言えるでしょう。当時の技術とデザインセンスが凝縮されたパルディンは、これからも多くの人の心を掴み続けることでしょう。

もう一度検索