ホンダ・CB650

ホンダ CB650シリーズ：進化を遂げたミドルクラススポーツバイク

ホンダが1979年に発売したCB650は、それまでのCB550FOURをベースに排気量を拡大し、性能とデザインを向上させたモデルです。同社のミドルクラススポーツバイクとして人気を博し、日本国内のみならず、欧州や北米にも輸出されました。この記事では、CB650シリーズの主要モデルについて、詳細なスペックや特徴を解説します。

CB650 (RC03)

CB650は、1979年1月にCB550FOUR-Kの後継として登場しました。544ccから626ccへと排気量を拡大した空冷4ストローク4気筒エンジンを搭載し、最高出力は53psにアップ。また、点火方式にフルトランジスタ式を採用するなど、電子制御の面でも進化を遂げています。

足回りも強化され、メンテナンスフリーのアルミ製コムスターホイールや、減衰力調整機構付きのFVQダンパーを装備。スタイリッシュな4-2マフラーも特徴的です。車体デザインは、従来の「ドリーム」や「FOUR」といったペットネームを廃し、よりシンプルでスポーティな印象となっています。生産目標は月産4000台とされ、そのうち200台が国内向けに割り当てられました。警察向け白バイ仕様のCB650Pも存在しました。

CB650カスタム (RC05)

1980年発売のCB650カスタムは、アメリカンスタイルを取り入れたモデルです。フレームを新規設計し、4本出しマフラーを採用するなど、CB650とは異なる個性を演出。しかし、エンジンはCB650と共通のRC03E型を使用し、スペックもほぼ同一です。

1981年にはマイナーチェンジを行い、ヘッドライトをハロゲン化、フロントサスペンションをセミエアサス化、キャブレター変更による燃費向上、キックスターター廃止などが行われました。メーター照明の変更や、フロントブレーキキャリパーのデュアルピストン化、ツートンカラーの採用など、細部の改良も加えられました。

CB650LC (RC05)

1982年に登場したCB650LCは、「Luxury Custom」の略称を持つモデルです。CB650とCB650カスタムの要素を統合し、北米向け輸出モデルであるRC08型CB650SC(NIGHT HAWK 650)と共通のボディデザインを採用しました。

北米仕様は新設計のDOHCエンジンを搭載していましたが、CB650LCはCB650カスタムからキャリーオーバーされたRC03E型エンジンとフレームを継承。そのため、型式もRC05のままです。変更点としては、エンジンの黒塗装と、前輪ディスクブレーキのダブル化が挙げられます。

まとめ

CB650シリーズは、発売から1985年までの間に、様々な改良を加えられながら生産されました。その間、排気量アップや、アメリカンスタイルへの変更、高級志向へのモデルチェンジなど、時代のニーズに応じた進化を遂げています。日本のミドルクラスバイクの歴史において、重要な地位を占めるモデルと言えるでしょう。現在でも多くのファンに愛され、中古市場でも人気が高いモデルです。

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