ホンダ・CBX250

ホンダCBX250シリーズ：80年代を彩った軽快なスポーツバイク

1980年代前半、ホンダはCBXシリーズとして様々な排気量のロードスポーツモデルを展開しました。その中でも、250ccクラスに属するCBX250は、CBX250RSとCBX250Sの2つのモデルが存在し、当時多くのライダーを魅了しました。しかし、時代はレーサーレプリカブームや多気筒モデルの人気に移り変わり、CBX250シリーズは1987年に生産を終了することになります。

CBX250RS：扱いやすいベーシックなスポーツモデル

1983年5月に発売されたCBX250RS（MC10）は、CB250RSの後継モデルとして登場しました。開発コンセプトは「高性能で扱いやすいベーシックスポーツ」。ネイキッドスタイルを採用し、扱いやすさとスポーティさを両立させています。

搭載されたエンジンは、XLX250Rと共通設計の空冷4ストローク単気筒。しかし、CBX250RSでは、低速から高速まで幅広い回転域で優れた吸気効率を実現するため、26mmのキャブレターを2基搭載するデュアルインテーク方式が採用されています。さらに、燃焼効率と吸排気効率を高めるRFVC（放射状バルブ配置）ヘッドも特徴です。DOHCではなくSOHCですが、セルスターター式という点も注目に値します。

なお、同年12月に発売されたGB250クラブマンは、MC10という同じ型式番号を持ち、エンジン、フレーム、エアクリーナーボックスなど多くの部品を共通化している姉妹車です。車体番号で区別されていました。

CBX250S：軽量コンパクトなスポーティモデル

1985年3月に発売されたCBX250S（MC12）は、軽量コンパクトをコンセプトに開発されました。CBX250RSよりも車体が一回り小さく、約15kgの軽量化を実現。CBX125Fの上位機種として位置付けられ、フレームや車体も強化されています。

特徴的なのは、ロケット型ハーフカウルとアルミニウム製のブーメラン型コムスターホイール。スポーティな外観が、CBX250Sの個性を際立たせています。エンジンはXLR250Rのエンジンをベースに、セルスターター式に変更し、CBX250S用にチューニングが施されています。こちらもRFVCヘッドを採用し、高性能と軽量化を両立させています。

兄弟車、そして影

CBX250シリーズは、単気筒エンジンながら、その扱いやすさとスポーティな走りを両立した魅力的なモデルでした。しかし、販売面ではレーサーレプリカや多気筒モデルの人気に押され、市場での成功は限定的だったと言えるでしょう。それでも、兄弟車であるGB250クラブマンと共に、1980年代のホンダを代表する250ccバイクとして、多くのライダーに記憶されています。また、海外ではCBX250Twisterが販売されていましたが、これはCBF250をベースにした派生モデルであり、日本国内で販売されたCBX250RSやCBX250Sとは異なる車種です。

まとめ

CBX250RSとCBX250Sは、空冷単気筒エンジンを搭載した個性的なバイクでした。それぞれのモデルが異なるコンセプトで開発され、それぞれの持ち味を持っていました。残念ながら短命に終わったモデルではありますが、その存在は、日本のバイク史において重要な1ページを飾っていると言えるでしょう。 当時のバイクブームの中で、その存在感を示したモデルと言えるのではないでしょうか。これらのモデルは、現在では中古車市場で希少価値の高いモデルとなっています。

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