ホンダ・CTX

本田技研工業CTXシリーズ：快適性を追求したクルーザー

はじめに

ホンダが2013年から2016年にかけて製造・販売していたオートバイシリーズ「CTX」について解説します。CTXは「Comfort Technology eXperience（快適技術の体感）」を開発コンセプトに掲げ、快適なクルージング体験を提供することを目指した大型クルーザーシリーズです。700ccと1300ccの2つの排気量モデルがラインナップされ、それぞれに異なる魅力を持っていました。本記事では、それぞれのモデルの特徴やスペック、そして生産終了に至った経緯について詳しく見ていきます。

CTX700/CTX700N

2013年2月8日に発表され、同年7月にカウル付きのCTX700、8月にカウル無しのCTX700Nが発売されました。兄弟車であるNC700シリーズと多くの部品を共有しており、低中速域での扱いやすさが特徴です。

エンジン

669ccの水冷4ストローク並列2気筒エンジンを搭載。NC700シリーズに搭載されているエンジンをベースに、クルーザーモデルに適した特性にチューニングされています。270°クランクを採用することで、独特の鼓動感を味わうことができます。

車体

スチール製ツインチューブダイヤモンドフレームを採用。フロントサスペンションは41mmインナーチューブ径の正立式テレスコピックフォーク、リアサスペンションはスイングアームです。ブレーキは前後ディスクブレーキ、ABSを標準装備としています。トランスミッションは6速マニュアルと、ホンダ独自のデュアルクラッチトランスミッション（DCT）が選択可能でした。

モデル概要

CTX1300

2014年2月14日に発表、同月21日に発売されたフラッグシップモデルです。市街地での快適な走行を重視した設計がなされています。

エンジン

1261ccの水冷4ストロークV型4気筒エンジンを搭載。力強いトルクとスムーズなフィーリングが特徴です。

車体

スチール製グレードルフレームを採用。フロントサスペンションは41mmインナーチューブ径の倒立式テレスコピックフォーク、リアサスペンションはスイングアームです。ブレーキは前後ディスクブレーキで、3ポットキャリパーの前後連動式コンパインドABSとトラクションコントロールを標準装備。高い安全性を確保しています。

モデル概要

生産終了

CTXシリーズは2016年に生産終了が発表されました。販売台数や市場の動向、ホンダの製品戦略などを総合的に判断した結果によるものと考えられます。

まとめ

CTXシリーズは、快適性と扱いやすさを両立させたクルーザーとして、独自のポジションを確立していました。しかしながら、販売台数の伸び悩みや市場の競争激化など様々な要因により、残念ながら生産終了となりました。現在では中古車市場でしか入手できない貴重なモデルとなっています。 その洗練されたデザインと快適な走行性能は、多くのライダーに記憶に残るものだったと言えるでしょう。

もう一度検索