ホンダ・QR50

QR50：子供のための本格派オフロードバイク

QR50は、本田技研工業がかつて製造・販売していた、子供向けの教育用オートバイです。本格的なモトクロッサーを思わせるデザインと、扱いやすい操作性、そして高い安全性を実現した、ユニークな一台でした。

コンパクトボディに秘めたるパワー

QR50最大の特徴は、そのコンパクトさと軽さです。乾燥重量はわずか35kgと、非常に軽量に設計されており、自動車への積載も容易でした。これは、子供でも楽に持ち運び、取り扱えることを目指した結果と言えるでしょう。車体サイズは小型ながら、本格的なオフロードバイクを思わせるスタイリッシュなデザインが魅力でした。

安心・安全設計

子供向けモデルということもあり、安全面への配慮は徹底されていました。スロットルや出力は制御機構によって制限されており、急な加速による危険性を抑制。さらに、飛び出し防止機構も備えていたため、小さなお子さんでも安心して運転を楽しむことができました。

スムーズな走り

エンジンは単気筒空冷2ストロークで、最高出力は2.7ps/6,000rpmと、子供用としては十分なパワーを発揮しました。また、ロードパルやハミングシリーズと同様の遠心クラッチ式チェーン駆動を採用。クラッチ操作が不要なため、初心者でも容易に操作でき、スムーズな走行が可能でした。

走破性も抜群

2.50-10インチのホイールには、オフロード走行に適したパターンタイヤを装着。ダブルクレードルタイプのフレームと、テレスコピックフロントフォーク、モノショック式リアサスペンションの組み合わせにより、優れた走行性能と操縦安定性を両立していました。

モデル遍歴とカラーバリエーション

QR50は1982年10月1日に発売されました。その後、1990年1月20日にはレッドを基調としたカラーリングに変更。さらに1993年11月4日には、QRロゴが際立つホワイトを基調としたカラーリングへと刷新され、それぞれのカラーリングが人気を博しました。

まとめ

QR50は、子供たちに安全で楽しいバイク体験を提供することを目的として開発された、本田技研工業の意欲作でした。そのコンパクトな車体、本格的なオフロードデザイン、そして充実した安全機構は、多くの子供たちを魅了し、多くの思い出を創り出しました。軽量で扱いやすい設計は、大人にとっても魅力的な一台であり、その存在は、オートバイの歴史においても特筆すべきものと言えるでしょう。

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