ホーコン3世 (ノルウェー王)

ホーコン3世スヴェレソン（Håkon III Sverresson、1180年 - 1204年1月1日）は、ノルウェー王（在位：1202年 - 1204年）であり、スヴェレ・シグルツソンの庶子です。彼は後にホーコン4世として知られるホーコン・ホーコンソンの父でもあります。

生涯

12世紀から13世紀にかけてのノルウェーは、王位継承を巡る争いや、教会と王権の対立、貴族間の紛争など、複雑な要因が絡み合った内乱の時代でした。この内乱は、バグリ党とビルケンバイン党という二つの主要な勢力の出現を招き、それぞれの党は王位を主張する人物を擁立し、激しい争いを繰り広げました。

ホーコン3世は、1197年に父スヴェレの軍勢の一員として、バグリ党との戦いで初めて歴史に登場します。以後、彼は度々これらの戦いに参加し、その存在感を示しました。父王スヴェレは、死の床でホーコンを唯一の生存している息子と宣言し、教会との長年の対立を解決するよう彼に託しました。ホーコン3世は教育を受けた人物であり、ラテン語で書かれた「バルラームとヨサファトの伝説」をノルウェー語に翻訳したことでも知られています。この翻訳は、彼が単なる武人ではなく、文化的な側面も持ち合わせていたことを示唆しています。

1202年、父スヴェレの死によりホーコン3世は王位を継承しました。しかし、彼の治世はわずか2年で幕を閉じます。ノルウェー東部を支配する貴族層や王族との争いが絶えず、その結果、彼は毒殺されてしまったのです。この事件では、彼の継母であるマルガレータ・エリクスドッテルに毒殺の疑いがかけられています。

ホーコン3世の短い治世は、ノルウェー内乱の激しさを象徴するものであり、彼の死は、当時の政治的な不安定さを如実に表しています。彼の生涯は、王位を巡る争い、権力闘争、そして文化的な貢献という、複雑な要素が絡み合ったものでした。

脚注

参考文献

* 百瀬宏 他 『新版 世界各国史 21 北欧史』 山川出版社、1998年

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