ホームタウナーズ

ホームタウナーズ

ホームタウナーズ (The Hometowners) は、日本の音楽史において重要な位置を占めるブルーグラスおよびカントリー音楽バンドです。バンド名には「ホーム・タウナーズ」という表記揺れも見られます。彼らは、複数期にわたる活動とメンバーの変遷を経て、日本の同ジャンルシーンに貢献しました。

略歴

ホームタウナーズの活動は、大きく三つの時期に分けることができます。

前期（1961年頃）

バンドのルーツは、1961年4月にさかのぼります。当時、原田実とワゴン・エースを脱退した井上高（ギター、ヴォーカル）と鈴木恒雄（フィドル、ギター）が中心となり、「ブルーグラス・カルテット」という名称で活動を開始しました。この初期メンバーには、名倉あきら（バンジョー、ヴォーカル）、吉野五郎（ベース）も含まれていました。同年4月23日には、第10回東京グランド・オール・オプリイに出演するなど、早くから注目を集めます。同年6月には、ヴォーカル担当として花田たけしと深野英明が加入。これに伴い、バンド名は井上高をリーダーとする「井上高とホームタウナーズ」に改称されました。しばらく活動を続けた後、この編成での活動は一旦終了し、バンドは解散します。前期解散後、花田と深野は再び原田実とワゴン・エースへ移籍しています。

中期（1967年頃）

約6年のブランクを経て、1967年にバンドは再結成されます。今回は鈴木恒雄をリーダーとし、「鈴木恒雄とホームタウナーズ」として活動を再開しました。この中期には、三田ひろし（サイド・ギター、ヴォーカル）、杉はじめ（サイド・ギター、ヴォーカル、MC）、金子行延（ベース）、青木孝義（ドラムス）、松野浩三（ベース）、稲吉薫（エレクトリック・ギター）、松平直久（スティール・ギター）といった新たなメンバーが参加しました。金子の後任として松野がベースを担当し、1970年には稲吉と松平が加入しています。また、後のダウン・タウン・ブギ・ウギ・バンドで知られる宇崎竜童が、この中期においてバンドのマネージャーを務めていました。1969年から1970年にかけては、オリジナルアルバムの録音も行われ、バンドの音楽性を記録に残しました。

後期（1976年頃）

中期リーダーであった鈴木恒雄が音楽事務所の経営に多忙となったため、バンドのリーダーは杉はじめへと交代。「杉はじめとホームタウナーズ」として活動を継続しました。この時期のメンバーとしては、溝渕和雄（ヴォーカル、ギター）が確認されています。後期には、1976年にジミー時田のアルバムにゲストとして参加するなど、他のアーティストとの交流もありました。

複数回のメンバーチェンジとリーダー交代を経て活動を続けたホームタウナーズは、日本のカントリーおよびブルーグラスシーンの発展に貢献したバンドの一つと言えるでしょう。

主なメンバー

ホームタウナーズに参加した主なメンバーとその担当楽器、役割は以下の通りです（時期によって担当が異なる場合があります）。

井上高: ギター、ヴォーカル。オリジナル・メンバー、前期リーダー。
鈴木恒雄: フィドル、ギター。オリジナル・メンバー、中期リーダー。
名倉あきら: バンジョー、ヴォーカル。オリジナル・メンバー。
吉野五郎: ベース。オリジナル・メンバー。
花田たけし: ヴォーカル。前期メンバー。
深野英明: ヴォーカル。前期メンバー。
三田ひろし: サイド・ギター、ヴォーカル。中期メンバー。
杉はじめ: サイド・ギター、ヴォーカル、MC。中期メンバー、後期リーダー。
金子行延: ベース。中期メンバー。
青木孝義: ドラムス。中期メンバー。
松野浩三: ベース。中期メンバー。
稲吉薫: エレクトリック・ギター。中期メンバー。
松平直久: スティール・ギター。中期メンバー。
溝渕和雄: ヴォーカル、ギター。後期メンバー。

ディスコグラフィー

ホームタウナーズ名義でリリースされた主な作品、およびゲスト参加作品です。

アルバム

『カントリー&ウェスタン・メモリアル・アルバム』 (日本コロムビア、1969年10月)
『ホームタウナーズ・イン・グアム』 (グリーン・シティー/日本ビクター、1970年)

アルバム (ゲスト参加)

ジミー時田とザ・ギャング / 『アメリカの魂』 (キング、1977年2月)

シングル (ゲスト参加)

三田ひろし / 『何処へ帰ろう c/w 恋の夢』 (キング、1971年) ※A面のみ

関連項目

* 原田実とワゴン・エース

（この情報は提供された資料に基づいています）

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