ボアコンストリクター

ボアコンストリクター

ボアコンストリクター（学名：Boa constrictor）は、ボア科ボア属に分類される大型のヘビです。ボア属には本種のみが含まれます（ただし、マダガスカルボア属やサンジニアボアを含める説もあります）。

分布

ボアコンストリクターは、メキシコ南部から南アメリカ、そしてカリブ海の小アンティル諸島にかけて広く分布しています。

形態

最大全長は430cmに達することもありますが、通常は基亜種でも300cm程度です。メスの方がオスよりも大型になる傾向があります。ペットとしてよく流通している亜種B. c. imperatorでは、150-240cm程度が一般的です。B. c. imperatorには、最大でも200cmに満たないクラウケイボアと呼ばれる地域個体群も存在します。

体色や模様は、亜種、地域、個体によって大きく異なります。野生個体の中には、淡い白色を帯びるB. c. imperatorのホグアイランドボアと呼ばれる地域個体群も存在します。

亜種

ボアコンストリクターには、以下の亜種が知られています。

Boa constrictor amarali (Stull, 1932)
Boa constrictor constrictor (Linnaeus, 1758)
Boa constrictor imperator (Dawdin, 1803)
Boa constrictor longicauda (Price & Russo, 1991)
Boa constrictor melanogaster (Langhammer, 1983)
Boa constrictor nebulosa (Lazel, 1964)
Boa constrictor occidentalis (Philippi, 1873) - アルゼンチンボア
Boa constrictor orophias (Linnaeus, 1758)
Boa constrictor ortonii (Cope, 1788)
Boa constrictor sabogae (Barbour, 1906)
Boa constrictor sigma

生態

熱帯雨林、サバンナ、農耕地、そして民家の近くなど、様々な環境に生息しています。幼体は樹上での生活を好みますが、成長するにつれて地上での生活が中心になります。

主に夜行性ですが、大型個体は昼間でも見かけることがあります。肉食性で、鳥類や哺乳類などの恒温動物を捕食します。待ち伏せに適した太い胴体を持ち、獲物を絞め殺す力が非常に強く、種小名のconstrictorは「絞め殺す者」を意味します。獲物に噛みついた後、胴体で巻き付いて締め上げます。

繁殖形態は卵胎生で、一度に20-60匹程度の幼体を産みます。

人間との関係

ボアコンストリクターの皮は、革製品の材料として利用されることがあります。

ペットとしても飼育されており、日本にも輸入されています。特にB. c. imperatorがよく流通しています。しかし、2020年の改正動物愛護法の施行により、ボアコンストリクターを愛玩目的で飼育することは原則として禁止されました。展示施設などで飼育する場合は、地方自治体の許可やマイクロチップの埋め込みなどが義務付けられています。

映像作品への登場

その印象的な外見から、ボアコンストリクターは様々な映画に登場します。

ハリー・ポッターシリーズ第1巻『ハリー・ポッターと賢者の石』
時計じかけのオレンジ - 主人公のペットとして登場
007 ムーンレイカー - アマゾンの奥地に建設されたヒューゴ・ドラックスのシャトル基地で、ジェームズ・ボンドを捕食しようとするが、毒針付きのペンで殺される

関連項目

ボア科
ボア亜科
ゾリータ - ボアコンストリクターを使ったショーで有名なバーレスクパフォーマー

参考文献

『爬虫類・両生類800図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、97頁。
山田和久『爬虫・両生類ビジュアルガイド ヘビ』、誠文堂新光社、2005年、10-12頁。
『小学館の図鑑NEO 両生類はちゅう類』、小学館、2004年、116頁。

外部リンク

CITES homepage
ワシントン条約掲載種、タクソンリスト
環境省：特定（危険）動物の飼養又は保管の許可について
Boa constrictor（英語）

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