ボトラー

ボトラーとは：清涼飲料水の製造・販売を担う地域密着型企業

ボトラーとは、清涼飲料水の濃縮原液をメーカーから仕入れ、水で希釈して容器に充填、最終製品として消費者に届ける役割を担う会社です。フランチャイズの一形態として、原液メーカーがフランチャイザー、ボトラーがフランチャイジーという関係になります。

ボトラーの役割と特徴

• - フランチャイズ契約: 飲料の特許やレシピ、商標は原液メーカーが保有し、ボトラーはエリア内での独占的な製造・販売ライセンスを得ます。
• - 独立資本: ボトラーは基本的に原液メーカーと資本関係のない独立資本ですが、複数の原液メーカーから供給を受けることもあります。
• - 味の違い: 飲料の味は原液で決まりますが、使用する水の違いによってわずかな差が生じることがあります。
• - 地域マーケティング: 原液メーカーは世界展開していることが多いのに対し、ボトラーは地域ごとのマーケティング戦略を展開します。
• - 容器の種類: ガラス瓶、アルミ缶、ペットボトルなどが主な容器として使用され、段ボール箱などで包装されて小売店に出荷されます。

歴史：コカ・コーラのボトラー制度

コカ・コーラの瓶詰め販売開始時に、エイサ・キャンドラーがレシピを秘密にしたまま、瓶詰め・販売の権利を売り出したのがボトラー制度の始まりです。

コカ・コーラのボトラー

コカ・コーラ社は世界中のボトラーに原液を販売しています。多くは独立資本ですが、コカ・コーラ社が出資したり、マネジメント層が取締役に就任するケースもあります。北米の一部ボトラーはコカ・コーラ社の子会社です。

日本のコカ・コーラのボトラー

日本での展開

1914年ごろに日本に初輸入されたコカ・コーラは、1920年ごろに明治屋と満平薬局によって発売されました。戦後、進駐軍向けに販売された後、1957年に日本飲料工業（後の日本コカ・コーラ）が製造を開始し、東京飲料（後のコカ・コーライーストジャパン）が販売を手がけ、本格的な日本での展開が始まりました。

ボトラーの再編

1990年代以降、効率化やコスト削減のため、ボトラー間の再編が進みました。

• - 1995年：全国展開するスーパー・コンビニ向けの販売業務をコカ・コーラナショナルセールスに一本化。
• - 1999年：コカ・コーラウェストジャパン（後のコカ・コーラウエスト）が発足。
• - 2016年：コカ・コーライーストジャパンとコカ・コーラウエストが経営統合協議を開始。
• - 2017年：コカ・コーラボトラーズジャパン発足。
• - 2018年：コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスに商号変更し、イーストジャパンがウエスト・四国を合併。

現在の状況

現在、コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスの直営会社であるコカ・コーラボトラーズジャパンが、日本の35都府県で製造・販売を手掛けています。北海道、北東北、北信越、沖縄県では、地元企業がエリアフランチャイズとしてボトラーを運営しています。

米国コカ・コーラ本社の関与

経済改革による外資規制の緩和に伴い、米国コカ・コーラ本社もアンカーボトラー設立に際し直接出資するようになりました。これにより、市場動向をより早く把握し、商品構成に本社の意向を反映させやすくなりました。

コカ・コーライーストジャパンも米国コカ・コーラ本社の子会社である日本コカ・コーラから出資を受けており、同様の出資状況は現在のコカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスにも引き継がれています。

もう一度検索