ボビン (裁縫)

ボビンの概要

ボビンは糸を巻くために設計された筒状の道具で、主にミシンなどで使用されています。一般的には金属またはプラスチック製で、形状はほぼ筒の形をしていますが、両端に円形の板がついているタイプも存在します。ボビンには糸が巻かれており、必要に応じてさまざまな色の糸を選んで使用します。また、ボビンは「コッペ」と呼ばれる収納器に収められることが多いです。使用後は、中身が空になると、ミシンの糸巻き機能を使って新たに糸を巻き直し、再利用することができます。

ボビンという言葉の由来は英語の「bobbin」ですが、これはフランス語の「bobine」を語源とし、さらに遡るとラテン語の「balbus」に関連があると考えられています。ラテン語の「balbus」は「ごとごと音を立てるもの」を意味していました。

家庭用ミシンのボビン

家庭用ミシンで使用されるボビンは主に下糸を収めるためのものであり、ミシンの種類によってその高さや幅が異なります。そのため、自分が使用しているミシンに適したボビンを選ぶことが非常に重要です。

垂直釜タイプのミシン

垂直釜タイプのミシンでは、ボビンをボビンケースに入れて使用します。ボビンに糸を巻いたら、これをボビンケースへ収め、糸の端を調整機構の下を通して外に出します。この状態でミシンにセットすると、下糸の糸調子をボビンケースのねじで調整できるため、安定した縫製が可能です。

水平釜タイプのミシン

一方で、水平釜タイプの家庭用ミシンではボビンケースが不要になります。こちらのタイプでは、ボビンを直接下糸巻き装置にセットすることで作業が進められます。これにより、効率的に作業が行える利点があります。

ボビンの規格

家庭用本縫ミシンに関連するボビンの規格として、1994年に「JIS B 9024: 1994」が規定されました。この規格は1999年に廃止されましたが、現在でも多くのボビンがこの規格に準拠しています。これにより、普及した標準のボビンを使用することで、互換性が確保されています。

参考書籍

ボビンとその使用方法については、さまざまな参考書籍が存在します。坂内鏡子の『いちばんよくわかる ソーイングの基礎 決定版』や『新装版 いちばんよくわかるソーイングの基礎』などが有名で、これらの本を参照することで、さらに詳しい知識を得ることができます。

まとめ

ボビンはミシンを使用する上で非常に重要な道具で、種類やサイズに応じて適切に使用する必要があります。特に家庭用ミシンを持っている方は、ボビンの選択を間違えないようにしましょう。正しいボビンを使うことで、縫製作業をよりスムーズに進めることができるでしょう。

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