ボビー・ジョーンズ (1951年生のバスケットボール選手)

ボビー・ジョーンズ：献身的なディフェンダーの模範

ロバート・クライド・"ボビー"・ジョーンズは、1951年12月18日生まれのアメリカ合衆国出身の元プロバスケットボール選手です。206cmの長身と優れた身体能力を生かし、1970年代から80年代にかけてABAとNBAで活躍しました。特にディフェンダーとしての評価が高く、NBAシックスマン賞の初代受賞者としても知られています。2019年にはバスケットボール殿堂入りを果たし、その功績は広く認められています。

生い立ちと学生時代

ノースカロライナ州シャーロットで生まれたジョーンズは、バスケットボール一家で育ちました。父親はNCAAトーナメントで準優勝、兄も高校で活躍するなど、バスケットボールに親しむ環境でした。内向的な性格で、当初はバスケットボールに乗り気ではありませんでしたが、長身を生かして教会のチームでプレーするうちに才能を開花させていきました。中学時代には、リバウンドやディフェンス、パスに集中することで、後のプレースタイルを確立する基礎を築きました。

高校時代には陸上競技でも才能を発揮し、棒高跳で州のタイトルを2度獲得しました。バスケットボールでも、2年次にシャーロットの年間最優秀選手に選ばれ、最終学年にはチームを州チャンピオンに導きました。これらの活躍により、多くの大学から勧誘を受け、最終的に名門ノースカロライナ大学に進学しました。

大学では、名将ディーン・スミスの指導のもと、主力選手として活躍しました。2年次の1972年にはファイナル4に進出し、同年にはミュンヘンオリンピックのアメリカ代表にも選ばれました。3年次にはABAのカロライナ・クーガースからプロ入りの誘いを受けましたが、心理学の学位取得を優先し、大学に残ることを選びました。4年次には平均16.1得点を記録し、オールアメリカ2ndチームに選出され、1974年のNBAドラフトでヒューストン・ロケッツから全体5位で指名を受けました。

プロキャリア

ABA時代

ABAのデンバー・ナゲッツのヘッドコーチだったラリー・ブラウンは、ジョーンズ獲得に奔走しました。ロケッツから指名を受けていたジョーンズに対し、ブラウンは7年140万ドルという破格の契約を提示し、獲得に成功しました。1年目から全試合に出場し、平均14.8得点、フィールドゴール成功率.604でリーグ首位を記録し、オールルーキー1stチームに選出されました。さらに、オールディフェンシブ1stチームにも選ばれ、リーグ屈指のディフェンダーとしての地位を確立しました。

2年目の1975-76シーズンも、ジョーンズは平均14.9得点を記録し、2年連続でオールディフェンシブ1stチームに選出されました。また、オールスターとオールABA2ndチームにも選ばれ、フィールドゴール成功率.581で2年連続リーグ1位となりました。ナゲッツはABAファイナルに進出しましたが、ニューヨーク・ネッツに敗れました。

ABAがNBAに吸収合併されることになり、ジョーンズはナゲッツの一員としてNBAキャリアをスタートさせることになりました。

NBA時代

デンバー・ナゲッツ

NBAでもジョーンズの活躍は衰えることなく、1年目の1976-77シーズンにはキャリアハイとなる15.1得点を記録し、オールスターに選出されました。その後8年連続でオールディフェンシブ1stチームに選ばれました。ナゲッツは50勝をあげてディビジョン優勝を果たし、NBAでも強豪として通用することを証明しました。しかし、ジョーンズの健康問題を懸念した球団は、彼をトレードすることにしました。

フィラデルフィア・76ers

1977-78シーズン終了後、ジョーンズはフィラデルフィア・76ersに移籍しました。76ersでは、ジュリアス・アービングらとともに強力なチームを構成しました。ヘッドコーチのビリー・カニンガムは、ジョーンズをシックスマンとして起用することでチームのバランスを取ろうとしました。ジョーンズは新たな役割を受け入れ、ベンチからチームに貢献しました。

76ersでの最初の2シーズン、ジョーンズはベンチから平均12-13得点を記録し、オールディフェンシブ1stチームに選ばれました。1980-81シーズンには、76ersで最高となる平均13.5得点を記録し、オールスターに復帰しました。1982-83シーズンには、シックスマン賞の初代受賞者となり、チームの優勝に大きく貢献しました。

1985-86シーズンに現役引退を表明し、76ersはジョーンズの背番号『24』を永久欠番にしました。

引退後

引退後は、故郷シャーロットに戻り、バスケットボールチームの指導や慈善事業に携わっています。2019年にはバスケットボール殿堂入りを果たしました。

プレースタイルと業績

ジョーンズは、NBA史上最も偉大なディフェンダーの一人として知られています。長身、長いリーチ、跳躍力、粘り強いフットワーク、高いバスケットボールIQを兼ね備え、相手を苦しめました。クリーンなディフェンスを身上とし、紳士的な姿勢も高く評価されていました。オフェンス面でも、無駄なシュートを打たないため、得点効率が高く、フィールドゴール成功率1位を3度獲得しています。また、非利己的なプレースタイルでも知られ、チームへの貢献を最優先に考えていました。

人物

ジョーンズの公平無私な人間性は、多くの人々から尊敬を集めています。敬虔なキリスト教徒であり、模範的な態度は多くの人々に影響を与えました。喘息やてんかん、慢性心疾患といった健康問題に悩まされながらも、それを乗り越えてプレーを続けたことは、多くの人々に勇気を与えました。

ボビー・ジョーンズは、卓越したディフェンス能力と高潔な人格で、バスケットボール界に多大な貢献をした人物です。彼のプレースタイルと生き方は、多くの人々に感動と影響を与え続けています。

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