ボブ・ディラン・ライヴ! 1961-2000

『ボブ・ディラン・ライヴ！1961-2000〜39イヤーズ・オブ・グレート・コンサート・パフォーマンス』は、2001年に日本でリリースされたボブ・ディランのライブ・コンピレーション・アルバムです。このアルバムは、彼の音楽キャリアの初期から晩年まで、約40年にわたるライブパフォーマンスを網羅的に収録したもので、ファンにとっては非常に貴重な作品と言えるでしょう。

このアルバムの企画は、当初、日本側がディランの長年のツアー活動「The Neverending Tour」に焦点を当てたものでしたが、その企画は実現しませんでした。その代替案として、日本独自の選曲と編集によるライブ・コンピレーション・アルバムが制作されることになったのです。その結果、デビュー以前の1961年から2000年までのライブ音源が、既発表のものから未発表のものまで幅広く収録されることになりました。このアルバムは、ボブ・ディランの多岐にわたる音楽活動と、そのライブパフォーマンスの変遷を辿る上で、非常に興味深い資料となっています。

収録曲は、彼の代表曲はもちろんのこと、トラディショナルな楽曲、ウディ・ガスリーの楽曲など、バラエティに富んだ内容となっています。初期のフォークソングから、ロック、ブルース、ゴスペルに至るまで、ディランの幅広い音楽性が感じられます。例えば、1961年のミネソタでのライブ音源から「ウェイド・イン・ザ・ウォーター」、1962年のニューヨークでのライブ音源から「ハンサム・モーリー」といったトラディショナルな楽曲が収録されています。また、1965年のライブ音源からは「ラモーナに」、1966年のライブ音源からは「アイ・ドント・ビリーヴ・ユウ」といった初期の代表曲も収録されています。さらに、1968年のウディ・ガスリーへのトリビュートコンサートでの「グランド・クーリー・ダム」、1974年のライブ音源からの「天国への扉」、1975年の映画サウンドトラックからの「悲しきベイブ」、1976年のライブアルバムからの「嵐からの隠れ場所」といった、時代を彩る名曲も収録されています。1980年代の「デッド・マン、デッド・マン」、「スロー・トレイン」、1990年代の「ディグニティ」、「コールド・アイアンズ・バウンド」、「ボーン・イン・タイム」と続き、2000年の「カントリー・パイ」、「シングス・ハヴ・チェンジド」と、彼のキャリアを網羅した選曲となっています。

このアルバムは、彼のライブパフォーマンスの魅力を存分に伝えてくれます。楽曲のアレンジや歌い方も、時期によって変化があり、それぞれの時代のディランの姿を捉えています。特に、未発表のライブ音源は、ファンにとっては非常に貴重なものでしょう。時系列順に聴くことで、彼の音楽性の変化や成長をより深く理解することができます。オリコンチャートでは最高41位を記録しました。このアルバムは、単なるライブ音源の寄せ集めではなく、ボブ・ディランというアーティストの歴史を物語る重要な作品と言えるでしょう。

このアルバムは日本独自の企画盤であり、彼の音楽キャリアを深く理解する上で、また、彼のライブパフォーマンスの魅力を知る上で、非常に価値のある一枚です。

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