ボヘミアンクラブ

ボヘミアンクラブとは

ボヘミアンクラブは、世界各地に存在する紳士社交倶楽部の名称です。中でも特に有名なのは、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコ市を本拠とする「ボヘミアンクラブ・オブ・サンフランシスコ」です。このクラブは、芸術、財界、政治、学術の分野で著名な人物2000人以上を会員としています。

各クラブを統合する国際組織はなく、それぞれが独立した組織として運営されています。

ボヘミアンクラブ・オブ・サンフランシスコ

ボヘミアンクラブ・オブ・サンフランシスコは、1872年にゴールドラッシュ後のサンフランシスコで、当時の芸術文化の軽薄さを嘆いた新聞記者たちによって設立されました。現在も「音楽、演劇、芸術、文学」を柱とする芸術愛好紳士倶楽部として続いています。

クラブのモットーは、シェイクスピアの「真夏の夜の夢」から引用された「Weaving Spiders, Come Not Here（巣を張るクモよ、来るべからず）」です。これは、クラブの活動が社交と友好を目的とし、クラブ外での利益追求を禁じていることを意味します。

ボヘミアン・グローブ

ボヘミアンクラブ・オブ・サンフランシスコは、サンフランシスコ市の北120キロメートルに位置するソノマ郡モンテ・リオに、「ボヘミアン・グローブ」と呼ばれる約10平方キロメートルの広大な敷地を所有しています。

高さ100メートルを超えるセコイアの巨木が立ち並ぶボヘミアン・グローブでは、毎年7月下旬に2週間にわたる会合が開かれます。この会合には、約3000人の会員、招待客、従業員が参加し、モンテ・リオの人口は一時的に4倍に膨れ上がります。

宿泊施設は、キャンバステントから質素な木造キャビンまで様々です。会場には、講演会、演奏会、ミュージカル、オペラなどの公演が行われる野外ホールや、1000人が同時に食事できる野外食堂も備わっています。

クラブで行われる芸術活動は、すべて会員および限られた招待客によって行われます。クラブ内には、会員による交響楽団、声楽団、吹奏楽団、ジャズバンドがあり、舞台、照明、音響だけでなく、作曲、脚本、演出なども会員が担当します。

会員資格

多くの有名人が会員となっていますが、芸術を愛好する紳士であれば、社会的地位、人種、有名度に関わらず、正会員2名の推薦によって入会することができます。ただし、施設の制限により、発足直後から定員に達しており、会員が死去または退会するまで待つ必要があります。

入会を申し込んだ時点の年齢にもよりますが、正会員として入会するまでには、サンフランシスコ近辺在住者であれば15年、それ以外の地域在住者であれば25年ほど待つことになります。

芸術活動で生計を立てている人や、アマチュアでありながら非常に高度な芸術能力を持つ人は、準会員として即入会し、20年間クラブ内で活動することで名誉正会員になることができます。世界屈指のエリートクラブでありながら、意外にも進歩的な一面も持ち合わせていると言えるでしょう。

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