ボルィースピリ国際空港

ボルィースピリ国際空港

ボルィースピリ国際空港（Boryspil International Airport）は、ウクライナの首都キーウ（キエフ）の東28kmに位置する、同国最大の国際空港です。キーウ州ボリースピリに所在し、ウクライナ空軍のボルィースピリ空軍基地と滑走路を共用しています。この空港には、主に輸送機を運用する第15輸送航空旅団が駐屯しています。

歴史

元々ソビエト連邦の軍事基地として建設されました。ソ連時代は海外渡航が制限されていたため、国内線が中心でした。1993年にウクライナが独立すると、空港は一般開放され、発着数と乗客数は増加の一途を辿りました。2010年と2012年には新ターミナルが相次いでオープンし、滑走路の増設も計画されるなど、継続的な拡張が行われていました。

しかし、2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻により、空港はミサイル攻撃を受け、甚大な被害を被りました。

交通アクセス

空港とキーウ市内間の移動は、長らくバスやタクシーなどの道路交通に限られていましたが、2018年11月にはキーウ旅客駅（キーウ中央駅）と空港を結ぶ空港連絡鉄道「キーウ・ボルィースピリ・エクスプレス」が開業しました。この鉄道は、1時間に1本（朝夕は30分に1本、深夜帯は2時間に1本）運行しており、所要時間は約40分です。空港駅はターミナルDの横に位置し、屋根付きの歩道で繋がっています。

設備

空港には2本の滑走路と3つのターミナルがあります。滑走路は空港施設を挟んで東西に位置し、西側の滑走路は開港当初から、東側の滑走路は2001年に増設されました。ターミナルはB、D、Fの3つがあり、現在はターミナルDが主に利用されています。国内線、国際線ともに同じターミナルに発着しています。かつては国内線専用のターミナルAがありましたが、2011年に閉鎖されました。また、VIP用のターミナルCも存在しましたが、ターミナルDに統合されました。

ターミナルBはソ連時代から国際線ターミナルとして利用されていましたが、規模が小さく、混雑が激しかったため、2010年にターミナルFを開業し、航空会社ごとにターミナルを分けました。さらに、新しいメインターミナルとして2012年にターミナルDが開業しました。ターミナルAの閉鎖からターミナルDの開業までの間、国内線はターミナルB付近に発着していました。ターミナルD開業後は、ターミナルBはチャーター便や臨時便に使われています。

ターミナルDの開業により、ターミナルBとFは定期便には使用されなくなり、ターミナルFは将来的な貨物ターミナル化のため閉鎖されました。しかし、後にターミナルFをLCC向けターミナルとして再整備することが決定し、2019年3月31日に再オープンする予定でした。ターミナルFは元々ボーディングブリッジを持たないなど、LCC向けを視野に入れて建設されていました。

拠点・焦点都市とする航空会社

以下の2社がボルィースピリ国際空港をハブ空港（拠点都市）としています。

ウクライナ国際航空
ウクライナ地中海航空

就航航空会社と就航都市

かつてはウクライナとロシアを結ぶ航空便が旅客流動で最大でしたが、2015年10月以降、全便が運行停止となりました。また、2022年のロシアによるウクライナ侵攻の影響で、空港施設が甚大な被害を受けたため、現在は全便の運行が停止しています。

所在部隊

ウクライナ空軍司令部直轄部隊隷下

第15輸送航空旅団：An-30B、An-24B、An-26、Mi-8T/MTV/SME-V

関連項目

ウクライナの空港

外部リンク

* ボリースピリ国際空港公式サイト (英語、ウクライナ語、ロシア語)

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