ボルチモア・メリーランズ

ボルチモア・メリーランズ：短命に終わった幻の球団

ボルチモア・メリーランズは、1873年にアメリカ合衆国メリーランド州ボルチモアを本拠地として、ナショナル・アソシエーションに所属していたプロ野球チームです。しかし、その歴史は非常に短く、わずか6試合で解散するという悲劇的なものでした。

球団史

1873年に創設され、ナショナル・アソシエーションに加盟したボルチモア・メリーランズ。前年には同都市のボルチモア・カナリーズがリーグ2位の好成績を収めていたにも関わらず、メリーランズは資金難に苦しみ、十分な戦力を揃えることができませんでした。

当時のロースターを見ると、1871年のリーグ設立当初にフォートウェインでプレー経験のあるビル・レノン、ヘンリー・コーラー、ウォーリー・ゴールドスミス、フランク・セルマンの4名を除き、プロリーグでの試合経験がない選手ばかりでした。監督に至っては、プロの試合を指揮するのが初めてという状況でした。

チームは4月14日に本拠地でワシントン・ブルーレッグスとの開幕戦に臨みましたが、3-24という大差で敗北。この試合が、チームにとって唯一の本拠地での試合となりました。その後、ワシントンで1試合、地元ボルチモアでカナリーズと4試合を戦いましたが、いずれも20点以上の失点を喫し、惨敗続きでした。

リーグ戦では合計6試合を戦いましたが、全ての試合で20失点以上を記録。チーム防御率は8.00、チーム打率は.156という目を覆いたくなるような成績でした。そして、同年7月11日の6試合目を最後に、チームはあっけなく解散してしまいました。

戦績

所属した主な選手

ルー・セイ：1873年から1884年にかけて活躍。打率.232。

主な球団記録

通算安打数：4（ビル・フレンチ、ビル・レノン、ビル・スミス）
通算打点数：2（マイク・フーパー、ビル・レノン、ルー・セイ、マーティ・シンプソン）
通算登板数：3（エド・ストラットン）

まとめ

ボルチモア・メリーランズは、資金難と戦力不足が原因で、プロ野球チームとして成功を収めることができませんでした。しかし、その短い歴史は、当時のプロ野球界の厳しさを示す貴重な記録として、今も語り継がれています。わずか6試合で消滅した幻のチーム、ボルチモア・メリーランズ。その名は、野球史の片隅にひっそりと刻まれています。

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