ボルトアクション方式

ボルトアクション方式（ボルトアクションほうしき）は、銃器の一種で、手動操作によって弾薬を装塡し、排出することができる機構を備えています。この方式は、シンプルで頑丈な構造を持ちながらも、当時の歩兵銃としてあらゆる場面で優れた発射能力を発揮しました。金属製の薬莢が登場する19世紀末から第二次世界大戦初期にかけて、各国の軍隊において主力兵器として採用されました。現在でも、狙撃用ライフルなど、さまざまな銃器に利用されています。

発展と歴史

ボルトアクション機構は1836年にヨハン・ニコラウス・フォン・ドライゼによって発明されたドライゼ銃が初めて実用化されました。これは単発式ではあるものの、従来のマスケット銃や前装式銃に比べて格段に速い連射を可能にしました。これにより、従来の銃器から後装式銃器へと移行する流れが生まれます。しかし、ドライゼ銃は紙製薬莢を使用していたため、薬室の密閉性に課題があり、改良を試みるシャスポー銃などの事例も存在しましたが、1860年代に金属製薬莢の採用が進むと、現在のボルトアクションの基本的な形態が確立しました。例えば、スナイドル銃やマルティニ・ヘンリー銃がこの流れを促進させました。

日本でも、1880年に十三年式村田単発銃が導入され、ボルトアクションの運用が開始されました。この頃の重要な転機として、1884年のフランスによる無煙火薬の発明が挙げられ、歩兵銃の性能を革命的に向上させる役割を果たしました。無煙火薬の登場により、従来の装弾方式が変化し、命中精度の向上や連発火器への進化が進みました。しかし、一部の銃は初期の課題を克服できず、撃発精度の低下を招く結果となったことも忘れてはなりません。

1890年代に入るとドイツのGew98やイギリスのリー・エンフィールド、ロシアのモシン・ナガンなどが登場し、その構造は今後のボルトアクション銃に多大な影響を与えました。これらの銃は、世界中の歩兵火器として広く普及し続け、約100年もの間、歩兵銃の代表的存在となりました。

現代のボルトアクション

過去の歴史を経て、ボルトアクション方式は現在もその効果を持っています。自動小[[銃]]と比較した際に、構造が単純であるため、精度や信頼性、価格、耐久性、整備性において優れた特性を持っています。この方式は特に狙撃用や狩猟用、射撃競技用の銃器において、そのメリットが活かされています。ボルトアクション方式は、小[[銃]]が主体ですが、M26 MASSのように散弾銃にも用いられる例があります。

分類

ボルトアクション方式は、主に以下の2つに分類されます。
1. 回転式ボルトアクション
- 薬室の閉鎖を解除するためにボルトのハンドルを起こしてボルトを回転させ、その後、弾薬を装填して再度閉鎖します。このタイプはモーゼル式小[[銃]]などが代表例です。

2. 直動式ボルトアクション
- ボルトハンドルを後方に引き、そのまま前方に戻すことで開放、排莢、装填、閉鎖が行われます。この方式はニック・M1895などに採用されていますが、構造が複雑であるため、実用化された例は少数派です。

今日では多くのボルトアクションライフルが、モーゼル系を基にした設計が主流となっており、特に軍用銃としてその威力と信頼性から高評価を得ています。自動小[[銃]]の普及が進んでもなお、ボルトアクション方式は高精度を必要とする場面で選ばれ続けています。

また、各国の銃器はその歴史とともに独自の進化を遂げており、日本の三八式歩兵銃や村田連発銃もその一端を担っています。ボルトアクション方式が現代においても生き続ける理由は、まさにその多様性と確実性にあるのです。

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