ボルンガルヴィーク

アイスランド北西部の静かな漁村、ボルンガルヴィーク

ボルンガルヴィーク (Bolungarvík) は、アイスランド西部フィヨルド地方に位置する小さな町であり、基礎自治体でもあります。主要産業は漁業で、のどかな雰囲気漂う漁村として知られています。人口は約1000人弱（2004年時点）と比較的小規模ですが、その歴史は古く、およそ1000年前から集落が存在していたと推測されています。

自然と歴史が織りなす魅力

ボルンガルヴィークの主な魅力は、何と言ってもその豊かな自然と歴史でしょう。近隣にはイーサフィヨルズゥル (Ísafjörður)という町があり、ボルンガルヴィークからは約13km、首都レイキャヴィークからは約473kmの距離にあります。

村内には、地域の生物多様性を学ぶことができる自然史研究所と自然史博物館があります。アイスランド西部の豊かな自然を肌で感じることができるでしょう。

村を見下ろす丘、Hóll (hill) には、1908年に建てられた鉄製の屋根を持つ教会が建っています。歴史を感じさせるその佇まいは、訪れる人々の心を静かに癒してくれます。

また、村の湾の東端には、自由に立ち入ることのできる漁業博物館があります。伝統的な漁師の住居や船が再現されており、かつての人々の生活や漁業の様子を垣間見ることができます。素朴な漁業の営みを知る貴重な場所です。この博物館の近くには、1937年に建てられたÓshólavitiという灯台がそびえ立っています。

興味深い伝説

ボルンガルヴィークには、古くから伝わる興味深い伝説があります。アイスランドの開拓時代の記録である『ランドナーマボーク』には、西暦940年頃、魔法の力を持つ兄妹の物語が記されています。何らかの争いの末、互いに呪いをかけあった兄妹。妹は兄を一枚岩に変え、鳥の糞尿にまみれさせる呪いをかけました。一方、兄は妹を、永久に強風が吹き荒れる地に立ち続けなければならないように呪いました。しかし、兄は呪いをかけた夜に海に沈み、二人の呪いは海の藻屑となりました。

妹と伝えられる岩は、1936年に約半分が崩落するという出来事がありました。この伝説は、ボルンガルヴィークの歴史に神秘的な色彩を添えています。

世界に羽ばたいた才能

ボルンガルヴィークは、ヨーロッパで活躍するロックバンド、[ムーギーソン]の出身地でもあります。このバンドは、独特の世界観を持つ音楽で知られており、ボルンガルヴィークの静かな雰囲気と、どこか神秘的な空気感が彼らの音楽にも反映されているのかもしれません。

静かな漁村、豊かな自然、歴史、そして伝説。ボルンガルヴィークは、アイスランドの隠れた魅力を体感できる場所です。アイスランドを訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

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