ボレスワフ・ピェルヴォロドヌィ

ボレスワフ・ピェルヴォロドヌィ：シロンスクの公、その生涯

ボレスワフ・ピェルヴォロドヌィ（Bolesław Pierworodny, 1293年頃 - 1365年3月21日以前）は、中世後期、シロンスク地方に割拠した公の一人です。彼はヴィエルニ公（在位：1313年 - 1326年）、ニェモドリン公（在位：1313年 - 1365年）、そしてプルドニクの統治者（在位：1336年 - 1365年）として、その時代を生きました。

生い立ちと初期の統治

ボレスワフは、オポーレ公ボルコ1世の長男として生まれました。母は、ブランデンブルク辺境伯オットー3世の娘とされるアグネスです。「ピェルヴォロドヌィ」という異名は「長子」を意味しますが、理由は不明ながら弟ボルコ2世もボレスワフの短縮形と同じ名前を持っていたため、区別するために用いられたと考えられています。

1313年に父が亡くなると、ボレスワフはヴィエルニとニェモドリンを相続しました。また、1323年までは、幼い弟ボルコ2世とアルベルトの後見人として、オポーレの統治も担いました。

ボヘミアとの関係と失領

ボレスワフの治世は、ボヘミア王家であるルクセンブルク家の影響を強く受けました。ボヘミア王国との同盟は、ポーランド王ヴワディスワフ1世（短身王）との戦争を引き起こし、1326年にはヴィエルニを失うという結果を招きました。

1327年2月17日、ボレスワフは他のシロンスク諸公と共に、オパヴァでボヘミア王ヨハン・フォン・ルクセンブルクに臣従の礼を取りました。これにより、ボヘミア王の封臣としての義務を負うことになります。翌1328年には、異教国家リトアニアに対する十字軍遠征に参加し、ボヘミア王への忠誠を示しました。

プラハでの滞在とプルドニク獲得

十字軍遠征からの帰還後、ボレスワフは主君ヨハンに従ってプラハに赴き、長い期間を過ごしました。1336年には、その忠勤の褒美として、ボヘミア王から2000グジヴナで都市プルドニクと周辺の村々を買い取る許可を得ています。1355年には、神聖ローマ皇帝として戴冠するためローマへ向かうヨハンの息子のボヘミア王カール4世に随行しました。

死去と子女

ボレスワフは1362年から1365年の間に亡くなりました。埋葬場所は不明です。

彼は1325年11月29日までに、ヴロツワフ公ヘンリク6世の娘エウフェミア（1312年頃 - 1384年以後の3月12日）と結婚し、8人の子女をもうけました。

ボレスワフ2世（1326年/1335年 - 1368年6月25日）
ヴァツワフ（1336年/1346年 - 1369年6月）
マウゴジャタ（1340年以前 - 1399年7月12日） - 1354年以前に、ロイヒテンベルク方伯ウルリヒ2世と結婚
アンナ（1342年/1344年以前 - 1365年5月8日） - ヴロフワフの聖クララ修道院の修道女
ヤドヴィガ（1345年以前 - 1413年2月13日） - 1379年にヴロフワフの聖クララ修道院の院長
ヘンリク（1345年 - 1382年9月14日）
ユディタ（1346年以前 - 1378年10月以後） - 1359年8月4日、オパヴァ公ミクラーシュ2世と結婚
エルジュビェタ（1347年/1350年 - 1366年6月25日） - ヴロフワフの聖クララ修道院の修道女

ボレスワフ・ピェルヴォロドヌィは、激動の時代を生き、自らの領土と一族の繁栄のために尽力したシロンスクの公でした。彼の生涯は、中世後期の中央ヨーロッパの政治情勢を反映しており、歴史を学ぶ上で重要な人物の一人と言えるでしょう。

参考文献
SILESIA
Genealogy of the House of Piast
Chronological Dates in Stoyan
Genealogy of the Dukes of Opole

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