ボローニャのポルチコ

ボローニャのポルチコは、イタリアのエミリア＝ロマーニャ州ボローニャに存在する、建物に付属したアーケード状の構造物です。歩行者を雨や強い日差しから守る役割を果たし、街の重要な文化的・建築的遺産として、多くの塔と共にボローニャの象徴となっています。ボローニャほど多くのポルチコを有する都市は他に類を見ず、その総延長は歴史的中心部だけで38km、郊外まで含めると最大53kmに達します。2021年には、その文化的・芸術的価値が認められ、ユネスコ世界遺産に登録されました。

ボローニャのポルチコは、中国南部の「騎楼」や、日本の日本海沿岸の都市に見られる「雁木」と似た役割を持つと考えられています。

歴史

ボローニャのポルチコの起源は中世初期に遡ります。当初は居住空間を拡張するために、公共の土地に私的な建物を拡張したことが始まりと考えられています。最初の記録は1041年にまで遡ります。初期には、建物の上階部分を木材で張り出させ、居住面積を増やす工夫がなされました。しかし、張り出し部分が大きくなるにつれて、その重量を支えるために支柱が必要となり、これが今日のポルチコの原型となりました。

その後、ボローニャ大学の学生や学者の増加、地方からの移住者の増加に伴い、ポルチコはさらに発展しました。1288年には、すべての新築住宅にポルチコの設置を義務付ける条例が制定され、既存の住宅にもポルチコを追加することが奨励されました。中世のポルチコは木造でしたが、1568年の教皇総督ジョヴァンニ・バッティスタ・ドリアとカミーロ・パレオッティによる法令により、レンガや石で改修されるようになりました。しかし、マルサラ通りやコルテ・イソラニには、現在でも木造のポルチコが残っています。

特に有名なのは、「サン・ルカのポルチコ」です。これは、ボローニャのサラゴッツァ門から、丘の上にあるマドンナ・ディ・サン・ルカ聖堂まで、約4kmにわたって続く、世界最長のポルチコです。11世紀に建てられた聖堂は、14世紀に拡張され、ボローニャの主要なランドマークとなっています。666本の柱で支えられたこのポルチコは、1433年以来、毎年昇天祭の期間中に行われる行列の道として利用されており、聖母子のビザンチン風イコンがボローニャ大聖堂まで運ばれます。

世界遺産の登録基準

ボローニャのポルチコは、以下の世界遺産登録基準を満たし、2021年に登録されました。

(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。

ボローニャのポルチコは、中世から現代に至るまでの都市構造の発展を示す、独自の建築様式と都市景観を形成しています。

関連項目

雁木造
トリノのポルチコ

外部リンク

ボローニャのポルチコ群（世界遺産オンラインガイド）

もう一度検索