ボンゴレファミリー

ボンゴレファミリー：伝統と革新が織りなす、最強マフィアの全貌

ボンゴレファミリー（イタリア語: Famiglia Vongola）は、天野明氏の漫画作品『家庭教師ヒットマンREBORN!』に登場する、イタリアを舞台とした架空のマフィア組織です。「ボンゴレ」とはイタリア語でアサリなどの二枚貝を意味します。

ボンゴレファミリーの概要

ボンゴレファミリーは、伝統、格式、規模、勢力、その全てにおいて別格と評される、イタリア最大の巨大マフィアグループです。キャバッローネファミリーなど、それぞれが強大な力を持つ組織を同盟ファミリーとして抱え、ネロファミリーやベッチオファミリーなど、およそ10,000もの組織を傘下に置いています。

その前身は、市民を守るための自警団であったため、ファミリーや地域住民を大切にする意識が強く根付いています。奇数歳の誕生日を迎えたファミリーメンバーを祝う「ボンゴリアン・バースデー・パーティー」や、正月には同盟ファミリー同士が互いの意気込みを表明し合う「ボンゴレ式ファミリー対抗正月合戦」、七夕には地域住民との交流を深める「ボンゴレ的町内交流七夕大会」といった、独特な行事も存在します。これらの行事への参加は可能なファミリーには強制であり、その結果に応じて豪華な商品が贈られることもありますが、一方で、芳しくない結果に終わった場合には恐ろしいリスクが伴うこともあります。

死ぬ気弾：限界を超える力を引き出す秘薬

ボンゴレファミリーに代々伝わる特殊な弾丸が「死ぬ気弾」です。これは、後悔の念を抱く者の脳天を撃ち抜き、一時的に死の淵に立たせることで、極度のプレッシャーを与え、潜在能力を強制的に引き出すというものです。死ぬ気弾に被弾すると、脳天に死ぬ気の炎が灯り、まるで脱皮するかのように服が破れ（アニメでは服が破ける演出）、パンツ一枚（女性の場合は下着姿）の姿で蘇ります。しかし、死ぬ気の炎をコントロールできるようになると、パンツ一枚になることはなくなります。もし撃たれた者が何も後悔していなければ、本当に命を落としてしまうという危険な側面も持ち合わせています。

死ぬ気弾の効果は、目的を達成すると同時に消滅しますが、もし目的を達成できない場合は、5分経過後に効果が消失します。リボーンによれば、脱皮した抜け殻はしばらくすると風化するとのことです。

死ぬ気弾は、ボンゴレ伝統の素弾を、形状記憶カメレオンであるレオンの体内に3日間埋め込むことで製造されます。また、脳天に合計10発の死ぬ気弾を受けると、被弾者に深刻な事態が引き起こされることがあります（ツナの場合は、不治の病であるドクロ病に冒されました）。死ぬ気状態の人に対して「リバース1t」というハンマーで殴ることで、死ぬ気弾の効果を無効化し、死ぬ気状態だった時の記憶を夢として見せることができます。

ボンゴレVII世は、死ぬ気の炎を一時的に圧縮・吸収する死ぬ気弾の性質に着目し、戦闘用に改良しました。なお、「死ぬ気弾」という名称は、あくまで脳天に被弾した場合の俗称であり、被弾する体の部位によって名称も効果も変化します（アニメでは、死ぬ気弾とは異なる種類の弾丸として描かれています）。

ヴァリアー編以降は、リングや死ぬ気丸が主流となったため、登場機会は減りましたが、物語の最終巻で再び姿を現しました。

ボンゴレリング：ファミリーの証、力の源

ボンゴレリングは、ボンゴレI世とその守護者たちが、ファミリーの証として作成した7つの指輪です。精製度はA以上とされ、大空の7属性において最高位に位置する至宝です。強大な力を秘めており、73（トゥリニセッテ）の一つに数えられています。そのため、このリングを巡る争いが絶えず、ファミリーの歴史の中で数多くの血が流れてきました。10年後の世界では、マフィア間のリング略奪戦を懸念したボンゴレX世（沢田綱吉）によって、一部の守護者の反対を押し切り、破棄されています。

ボスの持つ「大空」を筆頭に、「嵐」「雨」「雲」「晴」「雷」「霧」と、天候になぞらえた7つのリングが存在し、掟に基づき、代々ボンゴレファミリーのボスとその守護者6人が所持してきました。それぞれの指輪は、ハーフボンゴレリングとして2つに分割することが可能で、後継者を選ぶ際には、ボスと門外顧問がそれぞれ候補者を選定し、継承の儀式において2つを合わせて1つのリングとして継承されます。

リングの持つ力は未知数であり、7つのリングを全て集めた時、「ブラッド・オブ・ボンゴレ」に新たな力が授けられると言われています。また、10年後の世界では、ある種の結界が発生するという説も存在します。大空のリングに限っては、リング自身が継承者を選定し、「ブラッド・オブ・ボンゴレ」を持たない者が力を使おうとした場合、リング自身が拒否し、制裁を加えます。

II世以降は、継承をより厳格にするため、リングは二分できる構造へと変形し、その状態を維持するために、マーレリングやアルコバレーノのおしゃぶりに比べ、炎の最高出力を抑える必要がありました。しかし、ツナと白蘭の戦いの最中に現れたボンゴレI世によって、枷が外され、原型のボンゴレリングに戻りました。II世からIX世までの歴代ファミリーの中で、原型のボンゴレリングを手にした者は誰一人としていません。

ツナの継承式の際、シモンリングの封印を解いたシモンファミリー10代目ボスの古里炎真によって、大空、嵐、晴、雲、霧のボンゴレリングが破壊されてしまいますが、その後、タルボの手によって、後述する「ボンゴレギア」として生まれ変わります。

ユニによれば、ボンゴレリングの名は、アサリ貝のように姿を変えることのない、縦の時空軸（過去から未来への継承）を象徴しているとのことです。

ボンゴレリング争奪戦：守護者の座をかけた激闘

ボンゴレリング争奪戦は、夜の並盛中学校を舞台に行われる、守護者の座をかけた戦いです。毎回、リングの属性が1つ宣言され、その属性のリングの守護者候補が、互いのハーフボンゴレリングを賭けて戦います。対戦者は、リングを首から下げ、リングの属性に合った専用エリアで戦い、相手のリングを奪ってボンゴレリングを完成させるか、相手を戦闘不能にすることで勝利となります。観戦中のメンバーが試合参加者に接触したり、戦闘エリア内の装置を破壊すると失格となりますが、参加者自身が破壊する行為は失格にはなりません。

各戦いの舞台は以下の通りです。

第1回戦（晴のリング戦）：校舎脇の日輪のコロシアム
第2回戦（雷のリング戦）：屋上のエレットゥリコサーキット
第3回戦（嵐のリング戦）：校舎三階全域のハリケーンタービン地帯
第4回戦（雨のリング戦）：校舎B棟全フロアのアクアリオン
第5回戦（霧のリング戦）：体育館
第6回戦（雲のリング戦）：グラウンドのクラウドグランド
最終戦（大空のリング戦）：各争奪戦の舞台となったフィールド

ヴァリアーリング：闇の精鋭部隊の証

ヴァリアーリングは、10年後の世界において、ヴァリアーがボンゴレII世の残した至宝「虹の欠片」を加工し、幹部用に作成した、精製度Aランクのリングです。ルッスーリアの監修の下デザインが行われましたが、雲属性の幹部は存在しないため、雲のヴァリアーリングは作成されていません。

【虹の呪い編】では、マーモンの代理として代理戦争に参加するため、マーモンの全財産を費やしてタルボにバージョンアップさせ、新生ヴァリアーリングが完成しました。このリングは7つあり、デザインは全て同じですが、XANXUS用のみ装飾が異なり、マーモン用は一回り小さいサイズとなっています。ルッスーリアによると、島がいくつも買えるほどの価値があるとのことです。

ボンゴレ匣：未来の技術が結集した武器

ボンゴレ匣は、ツナたちが訪れた10年後の世界において、ボンゴレファミリーの持つ最新技術を用いて、通常のアニマル型匣兵器を改造したものです。打倒白蘭のために協力したボンゴレX世と入江正一が共同で開発したもので、若いボンゴレX世と入江が出会っているこの未来でのみ誕生しており、他の可能性の未来においては存在しません。

既に匣を所持していた獄寺たちがボンゴレ匣を入手した際、従来の物を使用しておらず、その上雨フクロウが変質して出来たため、事実上唯一無二であるはずの霧フクロウがボンゴレ匣となっていることから、大空、雷、雨（雨犬のみ）以外のボンゴレ匣は、既に守護者が入手していたアニマル匣を入江がリングと共に奪った際、こっそり形態変化のデータをアップデートし、ver.upさせたものであると考えられます。

ボンゴレ匣は、形態変化（カンビオ・フォルマ）することにより、ボンゴレI世とその守護者が使用した武具に姿を変えることができます。10年後の世界から現代に戻る際、10年後のヴェルデによってアニマルリングに生まれ変わり、よりコンパクトになりました。

ボンゴレギア：リングと匣が融合した究極の武器

ボンゴレギアは、ボンゴレ10代目と、その守護者のためだけに作られた専用のシリーズです。ボンゴレリングに、10年後のヴェルデによってボンゴレ匣をリング化したアニマルリング、ボンゴレI世の血である「罰」を加えてタルボが加工したことによって生まれ変わりました。最初は岩のような状態でしたが、使用者の膨大な炎によって、使用者にふさわしいアクセサリーへと変化します。

ボス：ファミリーを導く血筋と力

ボンゴレファミリーのボスは、代々初代ボスの血筋「ブラッド・オブ・ボンゴレ」を受け継いだ者から選ばれ、「超直感」と通称される、常人を遥かに凌駕する直感力を持つとされています。ボスを受け継ぐためには、ボンゴレファミリーが権力の追求によって犯してきた業を引き継ぐ覚悟が試されます。

継承式の際には、ボンゴレI世の代から代々受け継がれてきた、シモンファミリー初代ボスのシモン＝コザァートの血液が入った小瓶が手渡されます。ボスの使命は、「全てに染まりつつ全てを飲み込み包容する大空」となることであり、ボンゴレI世を除き、武闘派と穏健派に大分されます。全員が大空属性の死ぬ気の炎を有しています。

歴代ボス：歴史を紡ぐ継承者たち

ボンゴレファミリーには、数々のボスが存在します。初代ボスのボンゴレI世（ジョット）は、ボンゴレの前身である自警団を結成し、「大空」と謳われる歴代最強のボスとして知られています。その他、憤怒の炎を操るボンゴレII世、スキンヘッドが特徴的なボンゴレIII世、髭を蓄えた老人であるボンゴレIV世、おでこに刺青をした若い男であるボンゴレV世、片眼鏡をかけた初老の男であるボンゴレVI世、二丁拳銃を操るボンゴレVII世、唯一の女性ボスであるボンゴレVIII世、穏健派として知られるボンゴレIX世など、個性豊かな歴代ボスたちがファミリーを導いてきました。そして、ボンゴレX世（沢田綱吉）は、正当な後継者としてファミリーを背負うことになります。

守護者：ファミリーを支える六つの力

ボンゴレファミリーにおける守護者とは、ボンゴレリングを有する6人の幹部を指します。必ずしもボンゴレファミリーに所属していなければならないという縛りはありませんが、ファミリーに危機が訪れた時には必ず6人の守護者が集められ、どんな困難でも乗り越えると言われています。

それぞれの守護者には、以下のような使命が与えられており、それぞれに相応しい人物が選定されます。

嵐 - 「荒々しく吹き荒れる疾風」、「常に攻撃の核となり、休むことのない怒濤の嵐」となること。
雨 - 「全てを洗い流す恵みの村雨」、「戦いを清算し、流れた血を洗い流す鎮魂歌の雨」となること。
雲 - 「何者にもとらわれず我が道をいく浮雲」、「何ものにもとらわれることなく、独自の立場からファミリーを守護する孤高の浮雲」となること。
晴 - 「明るく大空を照らす日輪」、「ファミリーを襲う逆境を自らの肉体で砕き、明るく照らす日輪」となること。
雷 - 「激しい一撃を秘めた雷電」、「雷電となるだけでなく、ファミリーへのダメージを一手に引き受け、消し去る避雷針」となること。
* 霧 - 「実態のつかめぬ幻影」、「無いものを在るものとし、在るものを無いものとすることで敵を惑わし、ファミリーの実態をつかませないまやかしの幻影」となること。

この記事では、ボンゴレファミリーの歴史、力、そしてその構成員たちについて、深く掘り下げて解説しました。ボンゴレファミリーは、単なるマフィア組織ではなく、伝統と革新が融合した、魅力的な存在であると言えるでしょう。

もう一度検索