ボードゥアン国王競技場

ボードゥアン国王競技場

ボードゥアン国王競技場（仏: Stade Roi Baudouin、蘭: Koning Boudewijnstadion）は、ベルギーのブリュッセルに位置する多目的競技場です。1930年に設立され、設立当初はエゼル競技場（仏：Stade du Heysel、蘭：Heizel Stadion）という名称で知られていました。日本では、英語名に由来してヘイゼル・スタジアムと呼ばれることもあります。

歴史

この競技場はこれまでに数回の重要な国際大会の舞台となった歴史を持ちます。特に、1958年、1966年、1974年、1985年にはUEFAチャンピオンズカップ決勝がここで開催され、1964年、1976年、1980年にはUEFAカップウィナーズカップ決勝も行われました。1958年には66,000人以上の観客を収容するという、当時としては最大の観客動員数を記録しました。

1977年からは、毎年行われる陸上競技大会「メモリアル・ヴァンダム」の会場としても使用されています。この大会は、交通事故で亡くなったアスリート・イヴォ・ヴァンダムを偲ぶために創設されたもので、後にはIAAFゴールデンリーグやダイヤモンドリーグの一環としても開催されています。

しかし、1985年5月29日に発生した「ヘイゼルの悲劇」はこの競技場の歴史に暗い影を落としました。この悲劇以降、競技場は陸上競技にのみ使用されることとなりました。

改修と新たな名称

ヘイゼルの悲劇から10年後の1995年、エゼル競技場は大規模な再建が行われ、150億ベルギー・フラン（当時のレートで約5,000万ドル）が投じられました。この改修を契機に、競技場は国王ボードゥアン1世を称えた「ボードゥアン国王競技場」と改称されました。再建された競技場は、フットボール用のピッチと陸上競技用のトラック、さらにはフィールド競技用の施設を備えています。1995年8月には、代表チームの競技場としても開場しました。

現在、ボードゥアン国王競技場はベルギー国内で最大の競技場であり、座席数は50,000に達します。また、2000年のUEFA欧州選手権では開会式が行われるなど、国際的なイベントも多数開催されています。

重要な試合の記録

この競技場で行われた重要な試合の中には、1972年のUEFA欧州選手権決勝があり、西ドイツがソビエト連邦を3-0で下しました。また、2000年のUEFA欧州選手権でも数試合が開催されており、特にグループBの試合ではベギーがスウェーデンに2-1で勝利したことが記憶に残っています。他にも数々の試合が行われ、サッカー界における重要な場所としての地位を確立しています。

ボードゥアン国王競技場は、その歴史、重要なイベント、改修による新しい姿を持つことで、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。

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