ボードゥアン7世 (フランドル伯)

ボードゥアン7世（1093年 - 1119年）は、フランドル伯家最後のフランドル伯であり、その短い生涯は波乱に満ちていました。父ロベール2世とクレマンス・ド・ブルゴーニュの息子として生まれた彼は、母方の叔父にローマ教皇カリストゥス2世、カスティーリャ王配ライムンド・デ・ボルゴーニャを持つという、高貴な血筋を引いていました。また、カスティーリャ王アルフォンソ7世、サヴォイア伯アメデーオ3世、モンフェラート侯グリエルモ5世といった、ヨーロッパ各地の有力者たちとも親戚関係にありました。

1111年、父の死を受けて18歳でフランドル伯を継承したボードゥアン7世は、幼少期から共に育った従兄弟のシャルル（後のフランドル伯シャルル1世）を助言者として迎えました。シャルルはボードゥアン7世よりも一回り年上で、彼の政治的な手腕はボードゥアン7世の統治を大いに支えました。1118年には、ボードゥアン7世はシャルルとマルグリット・ド・クレルモンの結婚を仲立ちし、両家の関係を深めました。

しかし、ボードゥアン7世の治世は長くは続きませんでした。1118年9月、彼はフランス王ルイ6世側につき、ビュール＝アン＝ブレイの戦いでイングランド王ヘンリー1世と戦いましたが、この戦いで負傷してしまいます。この傷がもとで、翌1119年に26歳の若さで死去しました。後継者には、生前、助言者であり従兄弟でもあったシャルルを指名し、シャルルはシャルル1世としてフランドル伯を継承することになりました。

ボードゥアン7世は、1105年にブルターニュ公アラン4世の娘アニェスと結婚しましたが、当時夫は12歳、妻はわずか9歳でした。しかし、この結婚は1110年に離婚という形で終わり、二人の間に子供はいませんでした。その後、ボードゥアン7世は再婚することはありませんでした。

ボードゥアン7世の短い生涯は、フランドル伯家の歴史において重要な転換期となりました。彼の死後、シャルル1世がフランドル伯を継承し、フランドル伯家の新たな歴史が始まることになります。ボードゥアン7世自身は若くしてこの世を去りましたが、彼の事績は、後のフランドル伯たちに大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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