ボールタップ

ボールタップは、水面の上下動に応じて自動的に弁を開閉する装置です。定水位弁やフロート弁とも呼ばれ、主に各種給水設備のタンクにおける自動給水に利用されます。水洗便所の便器洗浄用タンク、受水槽、高置水槽、太陽熱温水器、クーリングタワーなど、幅広い用途で採用されています。

ボールタップの種類

ボールタップには、主に単式と複式の2種類があります。

単式: 水洗便所のタンクのように、満水時に給水を停止する用途に用いられます。構造が比較的単純で、小規模な設備に適しています。
複式: 支点が2つあり、テコの原理を利用して止水するため、保持機能に優れています。受水槽などの設備において、減水時の警報や満水時の警報といった、複数の役割を持たせる用途で使用されます。

構造と作動原理

ボールタップの基本的な構造は、以下の通りです。

1. 浮き玉: 支持棒（シャフト）の先端に取り付けられたボール状の浮きです。水位に応じて上下します。
2. 支持棒（シャフト）: 浮き玉の動きをレバーに伝える棒です。
3. レバー: 支持棒の動きを給水弁に伝える役割を果たします。
4. 給水弁: 水の供給を制御する弁です。レバーの動きによって開閉します。

作動原理は以下の通りです。

1. 水位が低下すると、浮き玉が下降します。
2. 浮き玉の下降により、支持棒とレバーを介して給水弁が開きます。
3. 給水が開始され、タンク内の水位が上昇します。
4. 満水になると、浮き玉が浮力によって上昇します。
5. 浮き玉の上昇により、レバーを介して給水弁が閉止され、自動的に給水が停止します。

浮き玉の材質には、ポリエチレン（PE）が一般的ですが、使用用途に応じて銅やステンレスが用いられることもあります。

設置基準

水洗便所や高置水槽でボールタップを使用する場合、ボールタップの故障によって水が溢れ、家財に損害を与えるリスクがあります。そのため、必ずオーバーフロー管を取り付ける必要があります。オーバーフロー管は、タンク内の水位が異常に上昇した場合に、余分な水を排水する役割を果たします。

関連事項

給水設備
水洗式便所
受水槽
高置水槽
* フロートスイッチ

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