ボーンシリーズ

ボーンシリーズ：記憶喪失の暗殺者と、その影を追うスパイアクション

『ボーン』シリーズは、ロバート・ラドラムの小説を原作とするスパイアクション映画シリーズです。主人公は、CIAによる洗脳プログラム「トレッドストーン」の産物である元暗殺者、ジェイソン・ボーン。記憶を失った彼は、自身のアイデンティティと過去を追い求める旅に出ます。マット・デイモンの熱演と、リアリティを重視したアクション描写が特徴です。

各作品の概要

1. ボーン・アイデンティティー (2002)

地中海で救助された記憶喪失の男、ジェイソン・ボーン。彼の唯一の手がかりは、スイス銀行の口座番号を示すマイクロカプセルでした。口座から見つかった偽造パスポートと大量の現金、そして銃。彼は、CIAの暗殺者だったのです。自身の過去を知る者、そして彼を抹殺しようとするCIAに追われながら、ボーンは真実を解き明かそうと奮闘します。出会った女性マリーとの逃避行の中で、彼は徐々に記憶を取り戻していきます。ダグ・リーマン監督作品。

2. ボーン・スプレマシー (2004)

2年後、静かに暮らしていたボーンは、再びCIAの暗殺者に襲われます。愛するマリーを失ったボーンは、復讐と真実の追求のため、ベルリン、そしてロシアへと逃亡します。断片的に蘇る記憶、そして新たな脅威。ボーンの戦いは、さらに激しさを増していきます。ポール・グリーングラス監督作品。

3. ボーン・アルティメイタム (2007)

マリーへの復讐から半年後、ボーンはトレッドストーン計画の首謀者を見つけ出そうとします。しかし、計画は既に終了しており、新たな作戦「ブラックブライアー」が進行中でした。ボーンの行動が、この新たな危機を招いたのです。ジャーナリストとの協力、そしてCIAとの壮絶な追いかけっこ。ボーンは、絶体絶命の状況に追い込まれます。ポール・グリーングラス監督作品。

4. ボーン・レガシー (2012)

『ボーン・アルティメイタム』の後日談的作品。ジェイソン・ボーンは登場せず、トレッドストーン計画と似たプログラムによって生み出された新キャラクター、アーロン・クロスが主人公です。ジェレミー・レナー主演。

5. ジェイソン・ボーン (2016)

シリーズ第5作目。再びマット・デイモンがジェイソン・ボーン役を演じ、ポール・グリーングラスが監督を務めました。

制作過程

ダグ・リーマン監督は、高校時代からのラドラム小説の熱烈なファンでした。ワーナー・ブラザースから原作の映画化権を獲得後、脚本家トニー・ギルロイと共に脚本を練り上げ、マット・デイモンを主演に迎えて映画化。撮影中も脚本は何度も修正され、製作は難航しました。続く作品はポール・グリーングラス監督が担当。リアリティを追求したアクションシーンは、多くのCGIを使用する最近の作品とは一線を画しています。

キャストと評価

マット・デイモン演じるジェイソン・ボーンは、シリーズの大きな魅力です。他にフランカ・ポテンテ、ジョアキン・フェニックス、ジュリア・スタイルズなど実力派俳優が脇を固めます。

『ボーン』シリーズは、批評的にも商業的にも大成功を収め、『アルティメイタム』はアカデミー賞で3部門を受賞しました。リアリティ溢れるアクション、複雑なストーリー、そして魅力的なキャラクター達が、多くの観客を魅了しました。

その他

シリーズをベースとしたテレビドラマ『トレッドストーン』も制作されています。

まとめ

『ボーン』シリーズは、記憶喪失のCIA元暗殺者ジェイソン・ボーンの活躍と、彼の過去にまつわる陰謀を描いた、高い評価を得ているスパイアクション映画シリーズです。リアルなアクションとスリリングなストーリー展開、そしてマット・デイモンの卓越した演技が魅力で、多くのファンを掴みました。各作品は独立して楽しめるものの、全体を通して一貫した世界観が展開されているのも大きな特徴です。

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