ポケクリ!ケータイ小説放送局

ポケクリ!ケータイ小説放送局：携帯小説の世界を彩るラジオ番組

2009年春、ラジオ大阪1314 V-STATIONにて放送された『ポケクリ!ケータイ小説放送局』は、携帯小説ポータルサイト『ポケクリ』と連携した、携帯小説家を応援するラジオ番組でした。人気声優の森久保祥太郎さんと寺島拓篤さんがパーソナリティを務め、聴取者から高い人気を博しました。毎週土曜23時からの30分間、携帯小説の世界の魅力を伝えると共に、数々の楽しい企画が展開されました。

さらに、アニメイトTVでもWebラジオとして配信され、放送後も多くのファンが番組を楽しむことができました。過去放送回の配信という形をとることで、より多くの人に番組の内容に触れる機会を提供していた点が特徴的です。

個性豊かなコーナーの数々

番組は、様々なコーナーで構成されていました。森久保祥太郎さんによる、35歳バツ1独身男性を主人公にしたショートストーリーコーナー「連載!森久保祥説太郎!」では、森久保さんが実際に体験した出来事を元に、クスッと笑えるエピソードが展開されました。

リスナー参加型のコーナー「エチュード」では、リスナーから送られたキャラクター設定と台詞を元に、森久保さんと寺島さんが即興で演技を披露しました。二人の息の合った掛け合いと、予想外の展開に、聴取者は毎回楽しませられました。

「素晴らしきケータイ小説ライフ」では、パーソナリティの二人が携帯小説の魅力を熱く語りました。携帯小説ならではの表現方法や、作品の魅力、そして作家たちの情熱を伝えることで、リスナーに携帯小説への理解を深めてもらうことを目的としていたと考えられます。

その他にも、番組やラジオドラマの感想、パーソナリティへの質問などを募集する「ふつおた」コーナーも設けられており、リスナーとの交流を深める工夫が凝らされていました。

鈴藤みわ原作のラジオドラマ『楽園のうた』

番組内では、『ポケクリ』で連載されていた携帯小説『楽園のうた』（原作：鈴藤みわ）をサウンドドラマ化して放送していました。ボーイズラブ小説として人気を博した本作は、ラジオドラマを通して、より多くのリスナーにその世界観を届けることに成功しました。

このラジオドラマは好評を博し、2009年11月26日にはフロンティアワークスよりドラマCD、祥伝社より書籍が発売されました。書籍のアニメイト限定版はWカバー仕様という特別な仕様になっており、コレクター心をくすぐるアイテムとなっていました。CDと書籍のイラストはどちらもカズアキ氏が担当し、作品の世界観を美しく表現していました。さらに、2巻は2010年2月24日にドラマCDと書籍の同時発売が決定するなど、メディアミックス展開も積極的に行われました。

ラジオドラマのあらすじは、主人公の笹本那智が、妹の梨夢が自身の詩を勝手に人気アイドルKIXの歌詞募集に応募したことを知るところから始まります。歌詞を変えられたことに怒った那智は、ヴォーカルの神に抗議のメールを送信するなど、波乱に満ちた展開が繰り広げられました。

豪華声優陣による熱演も聴きどころのひとつでした。笹本那智役の神谷浩史さん、栗栖神役の緑川光さんをはじめ、森久保祥太郎さん、寺島拓篤さん、高城元気さん、平川大輔さん、後藤麻衣さん、天野由梨さん、安元洋貴さんなど、実力派声優が多数出演していました。

挿入歌『Pandora -save your heart-』は、緑川光さんが歌うKIX名義で、作品の世界観をさらに盛り上げていました。

『ポケクリ!ケータイ小説放送局』は、携帯小説を題材にしたラジオ番組として、数々の魅力的な企画と豪華声優陣の共演、そして人気作品とのコラボレーションによって、多くのリスナーに記憶される番組となりました。放送終了後も、Webラジオの配信や、ラジオドラマのメディアミックス展開を通じて、携帯小説の世界を広げ続けたと言えるでしょう。

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