ポストバス

ポストバス：郵便と人をつなぐ公共交通

ポストバスは、その名の通り、郵便物と旅客を一緒に輸送するバスのことです。主にスイスやオーストリアなどのヨーロッパ諸国で運行されており、地域住民の足として、また観光客向けの移動手段として、重要な役割を果たしています。

スイスのポストバス

スイスのポストバスは、1849年にベルンとDetlingenを結ぶ馬車による運行が始まりました。その後、1906年にはエンジン付きバスが導入され、運行範囲を拡大していきました。現在では、山岳地帯を含むスイス全土をカバーしており、鉄道が通っていない地域や景勝地を巡る路線も存在します。

スイスのポストバスの特徴は、黄色地にホルンのマークが入った車体です。このホルンの音色は、スイスの原風景を象徴するものとして、多くの人々に親しまれています。また、スイスパスを所持していれば、有効期限内であれば無料で利用できるため、観光客にとっても便利な交通手段となっています。

スイスのポストバスは、単なる移動手段としてだけでなく、観光ルートとしても人気があります。特に、景勝地を巡る路線では、車窓から美しい景色を楽しむことができ、旅の思い出を彩ってくれます。

オーストリアのポストバス

オーストリアのポストバスは、連邦鉄道（ÖBB）の子会社によって運営されています。車体はグレーで、スイスとは異なる落ち着いた印象を与えます。

オーストリアのポストバスも、スイスと同様に、鉄道が通っていない地域や山間部を中心に運行されており、地域住民の生活を支える重要な役割を果たしています。

イギリスのポストバス

イギリスでは、バス事業の規制緩和後、過疎地域の赤字路線からバス事業者が撤退するおそれがありました。そこで、自治体が運行補助を行う路線を対象に、補助金入札制が導入されました。この入札には、郵便集配車を運行するロイヤルメールも参加しており、郵便集配車による旅客輸送が行われています。

日本の貨客混載

日本でも、過疎化が進む地域を中心に、貨客混載と呼ばれる取り組みが行われています。これは、バスやタクシーなどの公共交通機関が、旅客だけでなく貨物も一緒に輸送することで、効率的な輸送を実現し、地域住民の生活を支えるものです。

ウエスト神姫では、山崎バスターミナル⇔千種郵便局間でバスによる郵便物輸送を実施しています。

ポストバスの意義

ポストバスは、単なる移動手段としてだけでなく、地域住民の生活を支え、観光客に地域の魅力を伝える役割も担っています。過疎化が進む地域では、ポストバスのような公共交通機関が、地域社会の維持に不可欠な存在となっています。

これからも、ポストバスは、地域に根ざした公共交通機関として、その役割を果たし続けていくことでしょう。

外部リンク

ポストバス社（スイス）公式サイト（英語）
ポストバス（オーストリア）公式サイト（独語）
* スイス政府観光局　ポストバス（日本語）

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