ポゼッション (1981年の映画)

『ポゼッション』（Possession）は、1981年にフランスと西ドイツの合作で製作された映画です。アンドレイ・ズラウスキーが監督を務め、第34回カンヌ国際映画祭ではパルム・ドールにノミネートされ、主演のイザベル・アジャーニが主演女優賞を受賞するなど、高い評価を受けました。2020年には『ポゼッション40周年HDリマスター版』としてリバイバル上映も行われ、再び注目を集めました。

物語は、単身赴任から帰還したマルク（サム・ニール）が、妻アンナ（イザベル・アジャーニ）の異変に気づくところから始まります。アンナはマルクの不在中に浮気をしていたらしく、二人の関係は急速に悪化していきます。アンナはマルクをまともに相手にせず、家を飛び出してしまいます。マルクはアンナの友人であるマージから、ハインリッヒという男の存在を知りますが、ハインリッヒもまた、全てを知っているわけではない様子です。

マルクは探偵を雇い、アンナの尾行を依頼します。探偵はアンナが住むアパートで、浴室に奇妙な生き物が蠢いているのを目撃します。この奇妙な生き物とアンナの関係、そして物語は予想もつかない方向へと進んでいきます。

主要キャスト

マルク：サム・ニール
アンナ/ヘレン：イザベル・アジャーニ
ハインリッヒ：ハインツ・ベネント
マージ：マルギット・カルステンセン

『ポゼッション』は、夫婦の関係の崩壊、狂気、そして人間の深層心理を描いた作品として、多くの観客に衝撃を与えました。イザベル・アジャーニの狂気を帯びた演技は、映画史に残る名演として語り継がれています。また、作品全体を覆う不穏な雰囲気や、独特な映像表現も高く評価されています。

この映画は単なるホラー映画ではなく、人間の愛と憎しみ、そして存在の根源的な問いを投げかける、非常に深遠な作品と言えるでしょう。一度観たら忘れられない、強烈な印象を残す映画体験となるはずです。

もう一度検索