ポタタウ

ポタタウ・テ・フェロフェロについて

ポタタウ・テ・フェロフェロ（またはポタタウ1世、1800年頃 - 1860年6月25日）は、マオリ人兵士であり、ワイカト族の首長であり、初代マオリ王として知られる重要な歴史的人物です。彼はテ・フェロフェロ朝の創始者であり、ニュージーランドの歴史における権力と抵抗の象徴でもあります。彼の名は王就任後にポタタウを加えることで広まりましたが、彼自身がその名の背後には深い歴史と文化が存在していることを意味しています。

早期の経歴

ポタタウはワイカト族の戦闘隊長、テ・ラウアンガーンガ（同族の副部族であるンガティ・マフタ出身）の子としてこの世に生を受けました。彼の父は、1780年頃に行われたヒンガカカの戦いで数千の敵を打ち破った名将です。また、彼の母、パレンガオペもマオリの副部族であるンガティ・コウラ族の首領として名を知られていました。ポタタウはその血筋として、ニュージーランドにマオリを連れて来たタイヌイ及びテ・アラワ両部族の首長の子孫とも言われています。

比較的安定した時代に育った彼でしたが、ンガティ・トア族との抗争が彼の人生の早い段階から始まりました。ポタタウ自身も、ワイカト及びンガティ・マニアポトの首長の血を受け継ぐ者として、様々な戦闘の指導者として活躍し、多くの戦いを通じて名声を得ていきました。

戦闘経験と協力関係

1821年には、3000人以上のワイカトとンガティ・マニアポト連合部隊を率いてンガティ・トア族の本拠地へ攻撃を行い、見事にこれを陥落させることに成功します。しかし、この成功は長続きせず、翌年には失敗し、ポタタウ自身は重傷を負うことになります。彼はその後も数々の激しい戦闘を経て、次第に協力の可能性を模索します。

1834年までに至る間に、ポタタウは和平が成立し、ワイカト族は再び統一の道を歩むことができるようになります。また、彼は宣教師の影響を受け、定期的に礼拝へ出席し、宗教にも親しむようになります。これは、後のマオリ王国形成に向けた精神的な基盤を形成していたと言えるでしょう。

政治的立場と条約の影響

ポタタウは、ワイタンギ条約への署名を拒否しつつも、土地を持つパケハに対しては一定の理解を示しました。彼は1849年にジョージ・グレイ知事との合意を結び、マオリ自身が暴動を起こしたオークランドへの軍事的保護を提供しました。しかし、入植者が急速に増え、農地が盗まれる問題が頻発する中で、彼の立場は厳しくなります。徐々にパケハとの関係も悪化し、ワイカト族の土地に侵入者が訪れる中で、彼は新たな対抗策を講じなければならなくなりました。

王位の戴冠とその後

1850年代初頭にはマオリ王擁立運動が起こり、ポタタウは1857年に王として選出され、次の年には正式に就任します。この時期、ポタタウはイギリス政府との共同統治を望んでいたものの、多くの支持者はより独立した立場を求めていました。このため、次第に支持者たちは二つの派閥に分裂し、対立が深まっていきました。

最後の日々と死

1860年6月25日、ポタタウは揺るぎない大地の恩恵に包まれたンガルアワヒアで生涯を閉じ、王宮の近くのタウピリ山に埋葬されます。その後、息子タウィアオが彼の後を継ぎ、この王朝は続いていくことになりました。

ポタタウ・テ・フェロフェロの生涯は、マオリ社会の変化の中での力のかわる姿や、土地をめぐる抵抗の象徴、そして文化的なアイデンティティの確立を物語る意義深いものでした。

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