ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群

ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群は、ドイツのブランデンブルク州の州都ポツダムとその隣接するベルリンに位置する、複数の宮殿、庭園、および関連建造物から構成される複合遺産です。1990年にユネスコの世界遺産に登録されて以来、1992年と1999年の二度にわたり登録範囲が拡大され、その文化的価値が広く認められています。

この世界遺産の中核をなすのは、プロイセン王国の歴代君主たちが築き上げた壮麗な宮殿と、それを取り囲む広大な庭園群です。これらの建造物群は、18世紀から20世紀初頭にかけての建築様式や庭園デザインの変遷を物語る貴重な証拠であり、当時のヨーロッパにおける文化交流や思想的潮流を反映しています。

主な登録物件

サンスーシ宮殿と庭園: フリードリヒ大王の夏の離宮として知られるロココ様式の宮殿。葡萄畑を階段状に造成した独特の庭園は、プロイセンの啓蒙思想を象徴する場所として多くの人々を魅了してきました。
新庭園（ノイアーガルテン）: イギリス式庭園を取り入れた広大な庭園。大理石宮殿やツェツィーリエンホーフ宮殿などの建造物が点在し、歴史的な景観を創り出しています。
ツェツィーリエンホーフ宮殿: 第二次世界大戦後のポツダム会談の舞台となった宮殿。イギリスのチューダー様式を取り入れた独特のデザインが特徴です。
ザクロウ地区の救世主教会: ハーフェル川沿いに建つ美しい教会。イタリアのロマネスク様式を模した建築様式が特徴で、周囲の景観と調和した美しい姿を見せています。
バーベルスベルク宮殿と庭園: 新庭園の東南に位置する宮殿。庭園からは、美しい湖や周囲の風景を一望できます。
グリーニケ宮殿と庭園: ベルリン南西部に位置する宮殿。新古典主義様式で建てられており、美しい庭園とともに、周辺の景観と一体化した美しい景観を作り出しています。
孔雀島: ベルリン南西部に位置する島。自然保護区となっており、野生の孔雀が生息しています。

登録基準

この世界遺産は、以下の登録基準を満たしていると評価されました。

(1): 人類の創造的才能を表現する傑作であること。
(2): 建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すものであること。
(4): 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例であること。

ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群は、プロイセン王国の栄華を今に伝える貴重な文化遺産であり、その歴史的、芸術的、文化的価値は、世界中の人々を魅了し続けています。これらの宮殿や庭園を訪れることで、私たちは過去の時代にタイムスリップし、当時の人々の暮らしや文化に触れることができるでしょう。

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