ポピエル

伝説の君主ポピエル

ポピエル（Popiel）は、9世紀のポーランドにおける伝説的な君主として知られています。彼はポピエル王やポピエル公とも称され、ゴプウォ湖（Gopło）のほとりにある地域、クルシュヴィツァ（Kruszwica）でその治世を築きました。ポラン人とゴプラン人を統治し、当時の統治者の中でも特に苛酷な政治を行ったと伝えられています。

暴君としての評判

歴史的な年代記によると、ポピエルの統治には多くの圧政が含まれていました。彼の厳しい統治は民衆を苦しめ、結果として彼に対する不満が高まっていきました。ポピエルの12人の叔父たちは、このような状況を変えようと彼を権力の座から引きずり降ろす計画を練りました。しかし、ポピエルは一歩先を行く策略を考え付いていました。

ポピエル王はドイツ出身の妃の助言を受け、叔父たちを宴に招き入れることで彼らを待ち伏せしました。そして、宴の席で周囲を毒殺し、その遺体をゴプウォ湖に投げ込んだとされています。この行動はポピエルの悪名をさらに広めることになりましたが、彼は一時的な勝利を収めたように見えました。

反乱と報い

しかし、ポピエルの残虐行為を目の当たりにした民衆はついに立ち上がります。彼の行動に対する恐怖と怒りから暴動が発生し、ポピエルは恐れおののいて湖のほとりにある塔に逃げ込みました。彼と妃は、叔父たちの遺体が引き起こした恐ろしい現象に直面することになります。

伝説によれば、殺された叔父たちの遺体から大量のネズミが発生し、その群れは塔に向かって押し寄せてきました。ポピエルと妃はその雪崩のようなネズミの群れに飲み込まれ、最終的には生きながら食べられてしまったという衝撃的な結末を迎えたとされます。この物語は、ポピエルの残虐さへの報いとして語り継がれています。

ネズミ塔の伝説

現在、ゴプウォ湖のほとりには「ネズミ塔」と呼ばれる古い塔があります。この塔は実際にはポピエルの時代から約500年後の1350年に建てられたもので、ポピエルの時代の直接の遺構ではありませんが、彼の伝説と結びついて今でも語り草となっています。このように、ポピエルは彼の恐るべき行動と運命によって、ポーランドの歴史に深く根付いたキャラクターの一人と言えるでしょう。

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