ポマレ4世

ポマレ4世の生涯とタヒチ王国の変遷

ポマレ4世（タヒチ語: Pōmare IV、1813年2月28日 - 1877年9月17日）は、タヒチ王国のポマレ王朝の女王であり、14歳にして王位を継承した歴史的な人物です。彼女は、弟ポマレ3世の突然の死を受けて即位しました。彼女の父はポマレ2世、母はテレモエモエという側室で、家族関係は複雑で、ポマレ4世とポマレ3世は異母姉弟かつ従姉妹という立場でした。

即位当初の生活

ポマレ4世の即位当初の行動はあまり好意的に受け取られていませんでした。彼女はモーレア島で放蕩生活にふけり、臣下たちとのわきあいあいとした時間を楽しんでいたと言われています。しかし1831年にタヒチ島の首都パペーテに移ったことが、彼女の人生の大きな転機となりました。

結婚と家庭

パペーテに移住した際、ポマレ4世は当時の夫、タポアとの結婚を解消し、ファヒネ島の首長の息子であるポマレ・タネと再婚しました。その結果、1839年にはポマレ5世を出産し、王朝の存続に寄与します。

政治的挑戦とフランスの影響

1836年、ポマレ4世はイギリス人宣教師プリットチャードの意見を受け入れ、フランス人宣教師を国外追放する事態を引き起こしました。この行動は、以降フランスがタヒチに介入する口実を与える結果となります。1830年代から1840年代にかけて、タヒチではプロテスタントとカトリックの対立が激化し、王国の内部情勢は不安定なものとなりました。

1842年、ポマレ4世はフランスの保護国になる決定に直面しました。摂政であるパライタが独断で決断したことに反発し、ポマレ4世はイギリスに支援を求めましたが、冷静な対応を取り続け、必要な助けを得られなかったのです。

フランス・タヒチ戦争

1844年、フランスの強引な保護国化に反発した地元の首長たちがフランス人兵士を襲撃したことがきっかけで、フランス・タヒチ戦争が勃発しました。ポマレ4世はあくまで抗戦を続ける姿勢を維持し、ライアテア島に籠って抵抗しましたが、フランスの軍事力に打ち負け、1848年には戦争が終結。この戦争によりポマレ4世は討伐され、パペーテに連れ戻されてしまいました。

タヒチの傀儡としての位置づけ

勝利したフランスは、高い人気を持つポマレ4世を傀儡の首長として利用しようとしました。彼女の不在を利用して樹立された暫定政権を廃止し、再びポマレ4世を元首として復帰させながら、保護条約への署名を迫りました。これによってタヒチは完全にフランスの保護下に入ることが決定づけられ、1880年にはフランスに併合されることになります。

死去と王位の継承

1877年9月17日、ポマレ4世は心臓発作によりこの世を去りました。彼女の死により、王位は息子のポマレ5世に引き継がれることとなります。ポマレ4世の治世は、タヒチ王国が外圧によってどのように変わりゆくかを示す重要な時代であり、彼女自身の努力と苦悩が歴史に名を残しました。

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