ポメラニア公の一覧

ポメラニア公の一覧：歴史と変遷

ポメラニア公国は、現在のポーランド北部からドイツ北東部にかけての地域、ポメラニアを支配した公国です。その歴史は長く、スラヴ系部族の支配から始まり、数々の分割と再統合を経て、最終的にはスウェーデンに割譲されるという複雑な過程を辿りました。この記事では、ポメラニア公国とその支配者たちの一覧を、歴史的背景とともに解説します。

スラヴ系諸部族の支配

10世紀から11世紀にかけて、ポメラニアはスラヴ系の様々な部族によって支配されていました。この時代、統一された国家という概念はなく、部族間の抗争が絶えませんでした。

1106年、ポメラニアはシュヴィエントボルの二人の息子によって分割されました。ヴァルティスラフ1世はポメラニア家を創設し、後のポメラニア公国の基盤を築きました。一方、シュヴィエントペウク1世はダンツィヒを支配しました。1109年には、ポーランド大公ボレスワフ3世曲唇公がナクロの戦いでポメラニアの諸公を破り、一時的にポメラニアを支配下に置きました。

ポメラニア公国の成立と分割

ヴァルティスラフ1世が相続した公国は、後にポメラニア公国として知られるようになります。しかし、その歴史は分割の歴史でもありました。

第一次分割（1155年-1264年）

1155年、ポメラニアはポメラニア＝シュチェチンとポメラニア＝デミーンに分割されました。1190年には、シュラヴェとシュトルプがポメラニア＝シュチェチンから分離しました。

1231年、神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世は、ブランデンブルク辺境伯ヨハン1世とオットー3世をポメラニアの領主として認めました。これにより、ポメラニアはブランデンブルクの封土となり、間接的には神聖ローマ帝国の封土にもなりました。

第二次分割（1295年-1368年）

1295年、バルニム1世の息子たちが成人し、ポメラニア公国はペーネ川とイナ川に沿って分割されました。川の北はボギスラフ4世を公とするポメラニア＝ヴォルガスト公国、南はオットー1世を公とするポメラニア＝シュチェチン公国となりました。

第三次分割（1368年-1376年）

1368年、ポメラニア＝ヴォルガスト公国は、ヴォルガストを含む西部と東部に分割されました。東部はシュトルプを含むため、「ポメラニア＝シュトルプ公国」とも呼ばれました。

第四次分割（1376年-1478年）

1376年、ヴォルガストを含むポメラニア＝ヴォルガスト公国の西部が、西のポメラニア＝バルトと東のポメラニア＝ヴォルガストに分割されました。翌年には、ポメラニア＝シュトルプ公国が西のポメラニア＝スタルガルトと東のポメラニア＝シュトルプに分割されました。

1459年、ポメラニア＝シュトルプ公国とポメラニア＝スタルガルト公国が消滅し、ポメラニア＝ヴォルガスト公国に併合されました。

一時的な統一とさらなる分割

200年間の分裂を経て、1478年、ボギスラフ10世が3つの公国をすべて相続し、ポメラニア公国は一時的に統一されました。しかし、統一は長くは続きませんでした。

第五次分割（1531年-1569年）

1531年、ポメラニアは再びポメラニア＝シュチェチン公国とポメラニア＝ヴォルガスト公国に分割されました。第二次分割でも同じ名前の公国が創設されましたが、今回は東西での分割となりました。

第六次分割（1569年-1625年）

1569年、ポメラニア＝バルト公国がポメラニア＝ヴォルガスト公国から、ポメラニア＝リューゲンヴァルデ公国がポメラニア＝シュチェチン公国から分離しました。

最後の統一とスウェーデンへの割譲

1625年、ボギスラフ14世は全ポメラニアを統一しました。しかし、彼は1637年に後継者を残さずに死去し、同年スウェーデンがフォアポメラニアを占領しました。この占領は1648年のヴェストファーレン条約で正式に承認され、スウェーデン領ポメラニアが成立しました。また、東部地域にあたるヒンターポメラニアは、神聖ローマ帝国が消滅する1806年までブランデンブルク選帝侯領となりました。その後、スウェーデン領のフォアポメラニアもプロイセン王国に併合されました。

リューゲン公国

1168年から1325年まで、リューゲン公国はデンマークの臣下の支配下にありました。その後、ポメラニア＝ヴォルガスト公国とポメラニア＝バルト公国の支配下に入りました。

ポメレレン公国

1155年、シュヴィエントペウク1世の領地がソビエスラフ1世の下で独立し、サンボル家とポメレレン公国が創設されました。1215年には公国は四分割されましたが、1271年に再統一され、1296年にポーランド王国領となりました。

ポメレレンのその後

ポメレレンはその後、ポーランド、ドイツ騎士団国、プロイセン、そして再びポーランドへと、支配者が目まぐるしく変わる歴史を辿りました。

ポメラニア公国は、その長い歴史の中で、数多くの分割と再統合を経験しました。その過程は、ヨーロッパの歴史における地域国家の盛衰を象徴していると言えるでしょう。

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