ポメラニア戦争

ポメラニア戦争：七年戦争におけるスウェーデンとプロイセンの戦い

ポメラニア戦争は、七年戦争（1756年 - 1763年）中に、スウェーデンとプロイセンの間で繰り広げられた戦いです。主に、スウェーデン領ポメラニア、プロイセン領ポメラニア、ブランデンブルク辺境伯領北部、メクレンブルク＝シュヴェリーン公領東部を舞台に、1757年から1762年まで戦われました。

戦争の背景

スウェーデンが七年戦争に介入した背景には、当時の政権を担っていたハット党の思惑がありました。ハット党は、プロイセン国王フリードリヒ2世が多くの敵に囲まれており、スウェーデンがかつてプロイセンに割譲した領土を奪還する絶好の機会だと考えたのです。また、ハット党は、フランスからも参戦を勧められていました。フランスは、フリードリヒ2世によるザクセン侵攻を、1648年のウェストファリア条約違反であるとして非難し、スウェーデンにプロイセンへの宣戦を促しました。

戦争の経過

1757年9月、スウェーデン軍はプロイセン領ポメラニアに侵攻しました。しかし、スウェーデン軍は準備不足であり、プロイセン軍の反撃を受けて苦戦を強いられました。1758年には、ロシア軍がスウェーデンを支援するために参戦しましたが、戦況は一進一退の状況が続きました。スウェーデン軍は、プロイセンの主要な要塞であるシュテッティーンを占領することができず、補給不足にも悩まされました。1759年、スウェーデン軍は戦役を中止し、スウェーデン領ポメラニアに撤退しました。

1760年1月、プロイセン軍はスウェーデン領ポメラニアに反撃を試みましたが、スウェーデン軍に撃退されました。その後、スウェーデン軍はプロイセン領に侵攻し、プレンツラウまで進出しましたが、補給不足のため、再び撤退を余儀なくされました。1761年夏、スウェーデン軍は再びプロイセンへの遠征を試みましたが、補給と装備の不足により、すぐに中止されました。1761年から1762年の冬には、スウェーデン領ポメラニア国境付近で小規模な戦闘が発生しましたが、両軍とも決定的な勝利を収めることはできませんでした。

1762年5月、ロシアとプロイセンが同盟を結んだことで、スウェーデンは孤立無援の状態に陥りました。スウェーデンは講和を余儀なくされ、同年5月22日、プロイセン、メクレンブルクとハンブルクの和約を締結し、戦争は終結しました。

戦争の結果

ポメラニア戦争は、スウェーデンにとって不名誉な結果に終わりました。スウェーデンは、プロイセンから領土を奪還することができず、多大な犠牲を払ったにもかかわらず、何も得ることができませんでした。この戦争は、ハット党の失脚を招き、スウェーデンの国力を衰退させる一因となりました。また、ヨーロッパの政治情勢にも大きな影響を与え、プロイセンの台頭を促すことになりました。

まとめ

ポメラニア戦争は、七年戦争におけるスウェーデンとプロイセンの間の戦いであり、スウェーデンのハット党の思惑と、ヨーロッパの政治情勢の変化が複雑に絡み合った戦争でした。この戦争は、スウェーデンにとって不名誉な結果に終わり、その後のスウェーデンの歴史に大きな影響を与えました。

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