ポリエチレン詰清涼飲料

ポリエチレン詰清涼飲料とは

ポリエチレン詰清涼飲料とは、ポリエチレン製の棒状の容器に清涼飲料を充填したものです。この飲料の特徴は、凍らせてアイスキャンディーのように食べられる点です。容器の中央部分にくびれがあり、凍結後にこの部分を折ることで、二つに分けて食べることができます。

歴史

ポリエチレンが食品容器として承認されたのは1950年代後半ですが、成形品の容器が登場したのは少し遅れており、ポリエチレン詰清涼飲料が本格的に登場したのは1960年代以降です。

1953年頃には、東京で初めてポリエチレン詰清涼飲料が発売され、当時は「ポリジュース」と呼ばれていました。1970年頃には、15円程度で販売されていたようです。

代表的な商品としては「チューペット」が挙げられます。1975年に製造が開始され、当初は容器の端を噛み切って中身を吸う形でしたが、後に容器の中央にくびれを入れ、折って食べられるように改良されました。この改良が、商品の大ヒットにつながりました。

1979年には、厚生省がポリエチレン製容器包装詰清涼飲料水の容器包装の熱封かん強度について、各都道府県に通知し、強度試験を行うよう指導しました。これは、製品の安全性を確保するための措置でした。

現在では、10社弱の中小企業がこの製品を製造しています。

特徴

ポリエチレン詰清涼飲料の最大の特徴は、その独特な形状と食べ方です。棒状の容器は凍らせやすく、中央のくびれは折る際に力を加えやすくするだけでなく、凍結を促進する役割も担っています。また、輸送時の衝撃から商品を保護する目的もあります。これらの特徴は、メーカーによって重視する点が異なっています。

多様な呼称

ポリエチレン詰清涼飲料は、その歴史と地域性から、様々な呼称で親しまれています。

一般的な呼称

ポリ飲料
ポリ容器入り清涼飲料水
ポリ容器清涼飲料水
ポリドリンク
ポリジュース
氷菓用飲料
棒ジュース

各地での呼称

チューペット: 代表的な商品名が、他社製品も含めて広く使われることがあります。
チューチュー、チューチュー棒: 商品名由来の呼称です。
ポッキンアイス、パッキンアイス: 商品名由来の呼称です。
カンカン棒: 岐阜県での呼称で、「硬い」を意味する方言「カンカン」に由来します。
ポッキン・ポッキンアイス: 北海道、東北地方での呼称で、折る際の音「ポキッ」に由来します。
ミルちゃん: 北海道、東北地方での呼称で、株式会社アキヤマの商品名「ミルちゃんフルーツ」に由来します。
パンちゃん: 九州地方の一部での呼称で、生活協同組合の商品名に由来します。
* ミッキー: 沖縄県の一部での呼称で、かつて販売されていた製品のパッケージデザインに由来します。

佐賀県では、読者アンケートの結果から「棒ジュース」「棒アイス」「ボンボン」の順で多く呼ばれており、特に「棒ジュース」は県内のメーカーも使用しています。

このように、ポリエチレン詰清涼飲料は、地域によって様々な愛称で呼ばれ、人々に親しまれています。その独特な形状と、凍らせて食べるというスタイルは、長年にわたり多くの人々に愛され続けています。

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