ポルシェ・982

ポルシェ 718ボクスター／ケイマン（982型）：進化を続けるミッドシップスポーツカー

ポルシェ718ボクスターと718ケイマンは、ドイツの自動車メーカー、ポルシェが製造販売する2シーターのミッドシップスポーツカーです。内部コードネームは982型として知られています。2015年、それまでのボクスターとケイマンからモデルチェンジを果たし、718という車名に改称されました。このモデルチェンジは単なる名称変更に留まらず、パワートレインからシャシー、そしてデザインにまで及ぶ大幅な改良が施されています。

エンジンとパフォーマンス

最も大きな変更点は、それまでの水平対向6気筒自然吸気エンジンから、ダウンサイジングターボ化された水平対向4気筒ターボエンジンへの変更です。この変更によって、燃費性能の向上と環境性能の改善が図られました。しかし、4気筒エンジンは6気筒に比べて振動が大きいため、ポルシェは車体各部にバラストを追加することで振動を抑制しています。

2.0Lと2.5Lの2種類の排気量設定があり、2.5Lエンジンには、911ターボにも採用されている可変タービンジオメトリ（VTG）機構が搭載され、低回転域からの力強いトルクとレスポンスを実現しています。ターボチャージャーはエンジンの前方に横向きに配置され、インタークーラーは水冷式を採用。これにより、高い冷却効率とコンパクトなエンジンルームを実現しています。ただし、ターボチャージャーや排気系が複雑になったことで、エンジンの整備性は先代モデルと比較して低下しています。

高性能モデルの登場

2019年には、718スパイダーと718ケイマンGT4が登場しました。これらは、最高出力420psを発生する自然吸気4.0L水平対向6気筒エンジンを搭載した、シリーズの頂点に位置する高性能モデルです。続く2020年には、400psの4.0L水平対向6気筒エンジンを搭載した718ボクスターGTS 4.0と718ケイマンGTS 4.0が発表され、高性能モデルのバリエーションがさらに広がりました。2021年には、最高出力500psの4.0L水平対向6気筒エンジンを搭載した718ケイマンGT4 RSが追加発売されています。

日本市場

日本市場においても、718ボクスターと718ケイマンは高い人気を誇ります。2016年には、2.0Lと2.5Lエンジンの718ボクスターおよび718ケイマンが発売されました。その後、GTSモデルや、高性能モデルである718スパイダーと718ケイマンGT4、718ケイマンGT4 RSなども日本市場に導入されています。これらのモデルは、右ハンドル仕様で販売されています。

まとめ

ポルシェ718ボクスターと718ケイマンは、パワートレインの大幅な変更や、高性能モデルの追加など、常に進化を続けています。その高い走行性能と、ポルシェならではの洗練されたデザインは、多くのスポーツカー愛好家を魅了し続けています。しかし、複雑なエンジンレイアウトによる整備性の悪化など、課題も残されていると言えるでしょう。今後、さらに進化したモデルが登場することに期待が高まります。

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