ポルターガイスト (1982年の映画)

映画『ポルターガイスト』の概要

『ポルターガイスト』（原題: Poltergeist）は、スティーヴン・スピルバーグ製作による1982年のアメリカのホラー映画で、怪奇現象に直面する一家の物語です。本作は、当時の特撮技術を駆使しており、観客を引き込む迫力ある映像が特徴です。本作の監督はトビー・フーパーが務め、スピルバーグは製作に専念しました。これは、スピルバーグが当時『E.T.』の制作に関わっていたため、監督の重複契約が禁止されていることも一因です。

本作は1986年、1988年にそれぞれ続編が公開され、シリーズは全3作となっています。しかし、初作の版権は後にターナー・エンターテインメントに移動しました。また、2015年にはリメイクも制作されています。

ストーリーの詳細

映画は、フリーリング一家を中心に展開します。スティーヴとその妻ダイアン、彼らの子供たちダナ、ロビー、キャロル・アンが新興住宅地クエスタベルデに引っ越してきたのが物語の始まりです。家族は平穏な日常を楽しんでいましたが、ある晩、次女のキャロル・アンが放送終了後のテレビの前で何者かと会話を始めます。これを見た家族は驚き、彼女の言葉「あの人たちよ」と耳にします。

その後、フリーリング家では奇妙な現象が頻発します。台所のスプーンが曲がったり、椅子が勝手に動いたりなど、日常が一変してしまいます。そしてある夜、強い嵐の中、屋外の木が家に侵入し、子供たちの一人ロビーがさらわれてしまいます。ロビーは無事に戻りますが、キャロル・アンは行方不明になります。彼女はクローゼットに吸い込まれ、異次元に引き込まれてしまったのです。

この事態を受けて、スティーヴとダイアンは問題解決のため、超心理学者のレシュ博士と霊媒師タンジーナを呼び寄せます。タンジーナはキャロル・アンが霊界に存在し続けていること、そして彼女を光へ導くためには安らかに眠れない霊に注意する必要があると警告します。スティーヴは、彼らの住む地が実は墓地を移転して作られたものであることを知り、事態が深刻であることを改めて認識します。

映画は、キャロル・アンを救うために奔走するフリーリング一家の奮闘を描きます。特にタンジーナの助けを借りて、霊界へ入っていくダイアンや、その後に続くスティーヴの葛藤がスリリングに描かれます。様々な霊的存在との対峙や、家を清めるための戦いが繰り広げられ、観客をハラハラさせる展開へとつながります。

最終的に、キャロル・アンとダイアンは霊界から戻り、家は一時的に清められますが、家族は再度襲われることになります。物語は緊迫感を増していくばかりで、次第に家の存在が異世界に吸い込まれ、完全に消えるという衝撃のラストを迎えます。家族は生き延びることができましたが、その代償は大きなものでした。

影響と評価

『ポルターガイスト』は、その特撮効果やストーリー性から多くのファンに支持されました。制作には特撮スタッフによって『スター・ウォーズ』と同等のクオリティが求められ、映像の完成度は非常に高いものでした。また、その後の続編やリメイクにおいてもその影響は見られます。

本作は映画の中で多くの社会問題や家族に対する愛情がテーマとなっており、観客の心に深い印象を残しました。特に続編の制作者たちは、原作の不気味さと家族の絆を徹底的に引き継いでおり、映画史に名を刻んだ作品となっています。

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