ポルトガル共和国国家警備隊

ポルトガル共和国国家警備隊（GNR）

ポルトガル共和国国家警備隊（Guarda Nacional Republicana、略称GNR）は、ポルトガルの国家憲兵として、公共の治安を維持する任務を担っています。この組織は、公共治安警察に並び、重要施設の警護、地方における警察業務、さらには儀仗活動など、幅広い役割を果たしています。

概要

GNRは国防省の傘下に位置し、平時においては内務省がその指揮を行い、人員の管理なども担当しています。国防省は、GNRの装備や軍事訓練に関するドクトリンの策定を行い、緊急時には軍が指揮権を掌握する体制になっています。主に警備業務を中心に展開しており、犯罪捜査などは主に司法警察（Polícia Judiciária）が行う形となっています。

GNRの歴史は1801年に遡り、当初は王立警備隊警察（Guarda Real da Polícia）として設立されました。これは、フランスの騎兵隊であるジャンダルムリのモデルを取り入れたものです。しかし、1834年にポルトガル内戦の結果、王立警備隊警察は解散し、その後は都市警備隊に再編されました。1910年にポルトガル共和国が成立した際には、組織名は共和国警備隊（Guarda Republicana）に改名し、その翌年には現在の名称である共和国国家警備隊（Guarda Nacional Republicana）に変更されました。

なお、2009年には大規模な機構改革が実施され、税関や税務業務、国境・海上警備を担当していた財務旅団（Brigada Fiscal）のうち、税関および税務部門が独立し、財務警備隊（Guarda Fiscal）として財務省の傘下に移りました。これにより、地域展開部隊も4旅団から20の地域司令部に再編成されています。

編制

GNRの本部はリスボンに置かれており、地域展開部隊として20個の地域司令部を設けています。また、特別部隊や沿岸監視部隊（Unidade de Controlo Costeiro、UCC）など、さまざまな部隊が活動しています。これらの部隊は、少将の指揮のもとで沿岸警備を行っています。

さらに、国家交通部隊（Unidade Nacional de Trânsito、UNT）は、リスボンを基盤にハイウェイなどのパトロール業務を行い、国家保安および栄誉部隊（Unidade de Segurança e Honras de Estado、USHE）も存在します。後者は政府の重要な施設を警護し、軍楽隊なども含む儀仗部隊を編成しています。また、介入部隊（Unidade de Intervenção、UI）では、爆弾処理や特殊作戦に特化した活動が行われています。

教育機関

GNRは、隊員の教育訓練を行うための共和国国家警備隊学校を設立し、専門的な教育を通じて隊員の能力を向上させています。これにより、GNRはポルトガル国内において重要な役割を果たし続けています。

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