ポルト・ノヴォの戦い

ポルト・ノヴォの戦い

ポルト・ノヴォの戦いは、1781年7月1日にインドのポルト・ノヴォ（現在のパランギペーッタイ）で、イギリス東インド会社軍とマイソール王国軍の間で行われた重要な戦闘です。この戦闘は、第二次マイソール戦争の一部として位置付けられています。

戦闘の経過

1781年、この年は非常に緊迫した戦局が続いていました。イギリス軍はアイル・クート将軍の指揮のもと、南インドへ派遣されていました。彼は数多くの戦闘を経てマイソール王国軍と対峙し、特にヴァンデヴァッシュの解放を勝ち取りました。しかし、ハイダル・アリーの巧妙な策略により、カーナティック地方における補給が難しくなり、アイル・クートはセント・デーヴィッド要塞に退却することとなります。

その後、アイル・クートは艦隊からの弾薬と4日分の食糧補給を受けながら、主力との会戦を期待しつつ南へと進軍しました。

ポルト・ノヴォの戦闘

1781年7月1日、イギリス軍とマイソール軍はポルト・ノヴォで激突しました。イギリス軍の歩兵部隊は、わずかな食料で士気を高め、二列の戦闘編成を組んで、マイソール軍の防御陣地に向かって突進しました。イギリス軍は主要道路を離れ、激しい砲火の中を進みました。

マイソール側は、イギリス軍に騎兵の攻撃を仕掛ける準備を整えていましたが、イギリス軍の方陣戦術に対して無防備であり、騎兵は方陣内に飛び込んでいきました。その結果、多くの騎士がイギリス軍の銃剣に倒れ、残された騎兵たちは混乱を伴った撤退を余儀なくされます。

イギリス軍の戦闘団からは勝利の声が上がり、その後も一貫してマイソール軍の前進を続けました。マイソール王国のハイダル・アリーは臆することなく戦いを続けましたが、自身の軍の優位性を保つための新たな指示を与えました。しかし、彼の命令は待ち受けていたイギリス海軍の艦砲により撃破され、最終的にはマイソール軍は敗走することになりました。

この戦いの結果は非常に厳しく、マイソール軍は大きな犠牲を出しました。戦闘の終了後、イギリス軍はその戦術的勝利を高く評価され、特にイギリス歩兵の方陣戦術が騎兵を打ち破った例として称賛されました。

戦闘の影響と評価

ポルト・ノヴォの戦いは、実にアイル・クート率いるイギリス軍の決定的な勝利といえるものでした。この戦闘ではイギリス側の兵士8,500人のうち、死傷者はわずか300人に留まったのに対し、マイソール軍65,000人の中で6分の1以上、あるいは1万人もの死傷者を出したと伝えられています。このことから、いかにイギリス軍の戦術が成功裏に機能したかがわかります。

ただし、この戦いはイギリス東インド会社の歴史的な成功でありながら、プラッシーの戦いやブクサールの戦いに比べて一般にはあまり知られていないのが現実です。戦術、連携、そして指揮官としてのアイル・クートの能力が試されたこの戦闘は、今後も兵法の研究対象となることでしょう。

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