ポーキーズ

『ポーキーズ』（1982年）は、カナダとアメリカ合衆国が共同制作した青春コメディ映画です。監督と脚本はボブ・クラークが務め、ダン・モナハンが主演を務めています。舞台は1954年のフロリダ州。架空のエンジェル・ビーチ高校を舞台に、高校生たちの奔放で痛快な物語が展開します。

物語の中心となるのは、童貞卒業を夢見る男子高校生たちです。中でもピーウィーは、女性との性体験に強い憧れを抱いていますが、なかなかその機会に恵まれません。友人であるビリーとトミーの助力で、ある女性とのデートをセッティングしますが、思わぬ失敗を犯し、関係は破綻してしまいます。

失意のピーウィーを慰めようと、ビリーとトミーは彼を策略に巻き込みます。セックス好きで有名な女性がいると教え、ピーウィーを誘い出します。しかし、その女性は存在せず、待ち受けていたのは、強面の男でした。ピーウィーは全裸で逃げ出し、警察官の兄に保護されます。

それでも性体験を諦めきれないピーウィーは、ビリーとトミーに助けを求めます。彼らは、いかがわしいストリップバー「ポーキーズ」で女性を買うことを思いつきます。しかし、ポーキーズのオーナー、ポーキーは彼らを騙し、沼に突き落とすという冷酷な仕打ちに出ます。

怒り狂ったピーウィーたちは、仲間たちと共にポーキーズに復讐を誓います。激しい争いの末、彼らはポーキーズを徹底的に破壊し、沼に沈めてしまいます。ポーキーと保安官である彼の兄は、高校生たちを追いかけますが、彼らは辛うじて郡境を越え、危機を脱します。地元警察と高校生バンドが彼らを歓迎し、ポーキーの悪行を暴露することで、一件落着します。

メインプロット以外にも、いくつかのサブプロットが物語に彩りを添えています。男子生徒たちが女子シャワー室を覗き見するシーンでは、コミカルなやり取りが展開し、学校のコーチとの間で様々な騒動が巻き起こります。

一つ目のサブプロットでは、男子生徒たちが女子シャワー室を覗き見しようとしますが、予想外の展開に。太った女子生徒に邪魔され、さらにコーチに見つかり、大騒動に発展します。コーチは執拗に犯人探しを行い、トミーのペニスに注目。最終的には、警察に連行されるというオチを迎えます。

二つ目のサブプロットでは、学校のコーチたちの間で恋愛模様が描かれ、体育用具室での密会や、遠吠えをするコーチといった笑えるシーンが展開します。

この映画は、ボブ・クラークとハロルド・グリーンバーグによって制作され、続編も制作されました。クラークは、フロリダ州の高校をモデルとしてこの映画を制作したと語っています。

『ポーキーズ』は、若者たちの性的な好奇心や、大人への反抗といった普遍的なテーマを、ユーモラスに、そして時に過激に描いた作品です。下品な描写やセクシャルな要素も含まれていますが、それらを通して、青春時代の高揚感や危うさがリアルに表現されています。1980年代の青春映画を代表する作品の一つとして、現在も高い人気を誇っています。 若者たちのエネルギーと、大人たちの滑稽な姿が織りなす、痛快なコメディ映画として多くの人に楽しまれています。

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