ポープ・ジョーンとは？意味をやさしく解説

ポープ・ジョーンの概要

ポープ・ジョーン（Pope Joan）は、かつてイギリスのヴィクトリア朝時代に非常に人気のあったトランプゲームです。このゲームは3人から8人のプレイヤーが参加することができ、フランスの「結婚（Matrimony）」や「彗星（Comet）」といったゲームに影響を受けているとされています。また、ニューマーケットやスピナードといった、よりカジュアルなゲームの祖先とも言えるでしょう。

このゲームに関するルールについては、1814年にホイルの版で初めて文書化されましたが、オックスフォード英語辞典によれば1732年の文献にも登場しているそうです。さらに遡れば、「ポープ・ジュリアス（Pope Julius）」という名称でも呼ばれたことがあります。

目的とルール

ポープ・ジョーンの基本的な目的は、手札からカードを出して、場に出ているカードと同じスートでランク順に整え、他のプレイヤーより早く手札を全て無くすことです。それに加えて、特定のカードを出すことによってチップを獲得することも可能です。このゲームには、特製のボードが必要で、美しいデザインのものが多く存在し、これがポープ・ジョーンの魅力でもあります。

また、類似のゲームは世界中に広がっており、ドイツではポーカーの先祖とも言える「ポッヘン」が存在します。日本には江戸時代に流行した「よみかるた」というゲームもあり、これはポープ・ジョーンと似たルールで楽しむことができます。

名称の由来

ポープ・ジョーンという名称の由来については諸説あり、教皇ユリウス2世が「戦争屋教皇」と称された事や、女教皇ヨハンナの伝説が影響を与えているとも言われています。カトリック教会は女性の教皇を認めていませんが、この伝説はヴィクトリア朝のプロテスタント層によって広められたと考えられています。このため、スコットランドでもこのゲームが人気を博したという背景も納得できます。

用意するもの

このゲームでは、通常の52枚のトランプと、チップを入れるためのボードが必要です。ボードは8つのセクションに仕切られていて、それぞれに特定のラベル（A、K、Q、J、ゲーム、教皇（9♦）、結婚（KとQ）、浮気（QとJ））が付けられています。参加者は、人数に応じた数のチップを受け取ります。特に、カードの8♦は使用しないため、これがストップスの一環として特徴づけられています。

プレイの流れ

ゲームは、まずディーラーを決定することから始まります。ディーラーは毎回時計回りに交代し、最初にボードをセッティングします。チップを配置し、参加者に51枚のカードを配ります。ただし、最後の1枚はデッドハンドとして、切り札として表向きにしておきます。各プレイヤーは自分の手札からカードを出していき、スートに関連したルールに従ってプレイを進めます。手札をすべて出しきったプレイヤーは、ボード上に残ったチップを獲得します。

戦略と注意点

プレイ中は、どのカードがストップになったかに注意を払い、教皇のカードは常に安全なストップカードとして扱います。このように、プレイヤーは戦略的な判断をすることが求められます。ポープ・ジョーンは、そのルールのシンプルさに反し、深い戦略性を持つゲームです。慣れてくると、より高度なプレイが可能になり、友人や家族との楽しい時間を提供します。

参考文献

- Pantheon of the game's nomenclature and references, including Encyclopædia Britannica.

外部リンク

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