マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン

マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン

『マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン』は、1997年に公開された映画『タイタニック』の主題歌であり、セリーヌ・ディオンの代表曲として知られています。この曲は、アカデミー歌曲賞を受賞するなど、多くの音楽賞を獲得し、数々の国でナンバーワンを記録しました。作詞はウィル・ジェニングス、作曲はジェームズ・ホーナーが担当し、プロデュースはホーナーとサイモン・フラングレン、ウォルター・アファナシエフによって行われました。

元々、セリーヌ・ディオンのアルバム『レッツ・トーク・アバウト・ラヴ』に収録されたこの曲は、映画のクライマックスシーンで大きな感動を呼び起こしました。ディオンの独特のボーカルは、高いキーを求める難しいものであり、彼女自身も少し戸惑いを感じていました。しかし、彼女のマネージャーであり夫でもあるレネ・アンジェリルの後押しによって、ディオンはプロジェクトに参加することを決めました。

ホーナーが制作したこの曲は、映画の中で特に感動的な場面で使用され、監督のジェームズ・キャメロンも驚き、大変気に入ったため、エンディングで使われることが決まりました。この一連の流れは、後の『アバター』でも同様の手法を取るきっかけとなりました。

また、この曲の録音プロセスの中で、ディオンのボーカルは伴奏なしで一発で録音されたと言われています。これにより、レコーディングが持つ生のエモーションがより強く伝わり、「ディオンの声は完璧だ」とされました。この意見は、ホーナーとディオンの両者、さらにはソニーミュージックの意見でも一致していました。

ミュージックビデオも制作され、ビル・ウッドラフによって監督され、1997年の年末にリリースされました。また、ディオンはその後のアルバムにおいてもこの曲を何度も取り上げ、世界中のリスナーに親しまれることとなりました。

この曲は、アメリカ・イギリスを含む多くの国でのチャートで驚異的な成功を収めました。ビルボード・ホット100では初登場から2週間連続で1位を記録し、エアプレイ部門でも10週間連続1位を獲得。また他の国々でも、特にドイツでは200万枚を超える売上を記録し、4xプラチナに認定されています。

「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」は、グラミー賞を含む様々な賞でも評価され、特に映画音楽においてはその独自性と感動を呼び起こすメロディが注目を集めました。多くのアーティストがこの曲をカバーしたり、パロディとして取り上げたりしており、その影響力は計り知れません。

映画音楽のパイオニアとしてのこの曲の成功は、その後の映画業界にも多くの影響を与え、同様のテーマを持つ楽曲が次々と作られるきっかけとなりました。『タイタニック』の名シーンとともに、「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」は、映画音楽の金字塔として記憶され続けることでしょう。

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