マギステルス・バッドトリップ

マギステルス・バッドトリップ：詳細解説

鎌池和馬氏によるWeb小説『マギステルス・バッドトリップ』は、KADOKAWAの小説投稿サイト「カクヨム」で2018年9月28日に連載開始された人気作品です。2019年には「電撃の新文芸」より書籍化され、2020年7月まで連載されました。マネーゲームを題材にした、新感覚のクリミナルアクションとして注目を集めています。イラストは、『インテリビレッジの座敷童』など、鎌池和馬氏の他の作品でもイラストを手掛けた真早氏が担当しています。

物語の舞台：マネー（ゲーム）マスター

物語の舞台は、あらゆる非合法行為を容認する金融取引ヴァーチャルゲーム「マネー（ゲーム）マスター」です。ゲーム内通貨「スノウ」は、現実世界の経済にも多大な影響力を持ち、円やドルを凌駕する存在感を示しています。ゲーム内の出来事が現実世界の経済問題に直結する、緊迫感あふれる世界観が特徴です。

主人公：蘇芳カナメとツェリカ

主人公の蘇芳カナメは、チート級の銃撃スキルと卓越した戦略眼を持つ高校生です。相棒は、サキュバス型AIパートナーのツェリカです。カナメは、現実世界の経済を守るため、そして妹アヤメを守るために、マネー（ゲーム）マスターの世界で金融バトルに身を投じます。

カナメのアバターは、茶色の髪につり目、赤いネクタイを緩めたラフな服装です。一方、ツェリカは、ミント色のロングヘアに白い角、コウモリの翼を持つ妖艶な姿で、カナメを「旦那様」と呼び慕います。

個性豊かな登場人物たち

作品には、カナメとツェリカ以外にも、多くの魅力的な登場人物が登場します。

蘇芳アヤメ: カナメの妹。かつてはディーラーとして参加していましたが、トラウマを抱えゲームを離れていました。しかし「無辜の管理者」に選出され、再びゲームに関わってきます。
リリィキスカ＝スイートメア: 元「銀貨の狼」のスナイパー。カナメに救われた過去があり、彼に強い想いを抱いています。
ソフィア: リリィキスカのマギステルス。エルフのような容姿が特徴です。
チタン、Mスコープ、ザウルス: 元「銀貨の狼」のメンバーたち。それぞれ個性的なスキルとマギステルスを持っています。
パビリオン: 人脈構築を得意とするディーラー。エキドナの姿をしたマギステルスを従えています。
霹靂ミドリ: クリミナルAOの妹。兄の遺産を破壊するためにゲームに参加します。
冥鬼: ミドリのマギステルス。
ラプラシアン: ギャンブル専門のディーラー。
フレイ（ア）: 質屋を営むディーラー。性別を自由自在に変えることができます。
ブリュンヒルデ: フレイ（ア）のマギステルス。
霹靂タカマサ（クリミナルAO）: 伝説的なディーラー。カナメと対立します。
その他多数のディーラー: 運び屋、サッカーチームオーナー、害虫駆除業者など、多様なディーラーたちが登場します。

ゲームシステムと用語

「マネー（ゲーム）マスター」は、世界最大のオンラインゲームで、課金は不可です。ゲーム内では、土地、先物、証券取引などを駆使してスノウを増やすことを目指します。

スノウ: ゲーム内通貨。現実世界の経済にも影響を与えるほど価値を持っています。
常夏市: ゲームの舞台となる架空の都市。
ディーラー: ゲームプレイヤー。
マギステルス: ディーラーと契約するAIパートナー。
AI企業、AI財閥、PMC: ゲーム内と現実世界に影響力を持つ組織。
フォール、デッド、ダウン: ゲーム内の敗北状態。
無辜の管理者: システムによって選ばれた特殊なディーラー。
遺産: クリミナルAOの伝説的な装備品。
ゾディアックチャイルド: 特異な能力を持つ12人の人間の総称。
銀貨の狼: クリミナルAOの遺産を回収しようとするディーラー集団。

複雑に絡み合う現実と仮想

『マギステルス・バッドトリップ』は、現実世界とゲーム世界が複雑に絡み合う物語です。ゲーム内の出来事が現実世界に影響を与え、その逆もまた然りです。スノウという仮想通貨の価値が現実世界の経済を揺るがすなど、現実と仮想世界の境界線が曖昧になっている点が、この作品の魅力の一つです。

読み応えのある物語

『マギステルス・バッドトリップ』は、スリリングな展開と個性豊かなキャラクター、そして深遠なテーマが魅力の、読み応えのある作品です。マネーゲームという複雑な世界を舞台に繰り広げられる、壮大な物語をぜひお楽しみください。

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