マクストフカセグレン式望遠鏡

マクストフ・カセグレン式[[望遠鏡]]：コンパクトで高性能な観測を実現する光学系

マクストフ・カセグレン式[[望遠鏡]]は、反射[[望遠鏡]]と屈折[[望遠鏡]]の利点を融合させた、独特の光学系を持つ望遠鏡です。その構造は、カセグレン式[[望遠鏡]]をベースに、主鏡として球面鏡を用い、補正レンズとしてメニスカスレンズを採用することで、収差を効果的に補正し、高解像度の像を得ることを可能にしています。

発明の経緯

シュミット式[[望遠鏡]]は高い性能を発揮する一方、補正板の製作が非常に困難でした。そこで、球面鏡のみを用いてシュミット補正板と同等の性能を実現する研究が世界中で行われました。1943年、ソ連のD・D・マクストフは、凹面を対物側に向けたメニスカスレンズが球面鏡とは逆の収差特性を持つことに着目しました。この特性を利用し、メニスカスレンズの反射面を主鏡として用いることで、コンパクトで高性能な望遠鏡を開発することに成功しました。これがマクストフカメラであり、これを発展させる形で、主鏡の中央に穴を開け、カセグレン式と同様に後部から観測できるように改良されたのが、マクストフ・カセグレン式[[望遠鏡]]です。

この設計の特徴として、鏡筒前端が閉じているため筒内気流の影響を受けにくく、副鏡支持棒がないため回折の影響も少ないことが挙げられます。結果として、高コントラストでシャープな像が得やすいという利点があります。また、残存色収差も非常に少ないため、高精度の観測に適しています。

製品例：カール・ツァイス社の望遠鏡

高性能なマクストフ・カセグレン式[[望遠鏡]]の製造において、カール・ツァイス社は重要な役割を果たしました。同社は、有効径150mm、焦点距離2250mm（F15）の「150/2250」や、有効径180mm、焦点距離1800mm（F10）の「180/1800」といったモデルを製造していました。「150/2250」では、副鏡をメニスカスレンズの裏面ではなく独立した鏡として設計することで、光学性能の最適化を図っています。「180/1800」では、耐熱性と耐久性に優れたセラミックガラスの一種であるシタール（Sitall）を主鏡材として採用していました。この望遠鏡は、鏡筒の重心が後方に位置しているため、対象の高度による接眼部の高さ変化が少なく、使い勝手の良さも特徴です。また、像面湾曲もシュミット・カセグレン式[[望遠鏡]]と比較して非常に少ないため、広い視野での観測に適しています。

まとめ

マクストフ・カセグレン式[[望遠鏡]]は、コンパクトな設計ながら高性能な光学特性を備えた、優れた望遠鏡です。その高い性能と使いやすさから、アマチュア天文家や研究者から広く支持されています。球面鏡とメニスカスレンズというシンプルな構成ながら、高度な光学技術によって実現された、精密な光学機器と言えるでしょう。

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