マクドネル・ミラー

カズヒラ・ミラー：数奇な運命に翻弄された軍人

カズヒラ・ミラー、本名マクドネル・ベネディクト・ミラーは、人気ゲームシリーズ「メタルギア」に登場する重要なキャラクターの一人です。彼は、主人公ソリッド・スネークの教官であり、良きアドバイザーとして知られています。

生い立ちと葛藤

ミラーは、日本人の母とアメリカ人の父を持つ日系二世として東京で生まれました。幼少期には、その外見から周囲に揶揄されることもありましたが、「アメリカこそが自分の祖国だ」という強い思いを抱いていました。母親を助けるために米兵相手に父親を探すなど苦労を重ねます。渡米後、父親と暮らしますが、そこでの生活は複雑なものでした。大学卒業後に帰国し、母親の死後、自衛隊に入隊。しかし、組織に馴染めず除隊し、再びアメリカへ渡るも、父はすでに亡くなっていました。

ビッグ・ボスとの出会いと「国境なき軍隊」

1972年、ミラーは中南米で傭兵となり、ビッグ・ボス率いる部隊と出会います。当初は敵対関係にありましたが、ビッグ・ボスの誘いを受け、「国境なき軍隊 (MSF)」を創設し、副司令として組織運営や部隊指揮を担いました。ミラーは、冷戦終結後の紛争ビジネスを見据え、MSFを民間軍事会社化しようと目論みます。しかし、その裏では愛国者達と繋がり、ビッグ・ボスの監視と情報提供を行っていました。

マザーベース壊滅と復讐への誓い

1975年、XOFによるマザーベース襲撃事件が発生し、MSFは壊滅。ミラーは九死に一生を得ますが、多くの仲間を失います。この事件を機に、彼は復讐の鬼と化し、新たな組織「ダイアモンド・ドッグズ」を立ち上げ、サイファーへの復讐を誓います。かつての陽気さは影を潜め、非情な一面を見せるようになります。ヴェノム・スネークを支えながら、復讐の機会を待ち続けます。ソ連軍に捕らえられ拷問を受けたことで、両目の視力をほとんど失っていましたが、ヴェノムには最後までそのことを明かしませんでした。

ザンジバーランド騒乱とシャドー・モセス島事件

ダイアモンド・ドッグズ解散後、ミラーはSASやグリーンベレーなどの教官を経て、FOXHOUNDのサバイバル教官に就任。ソリッド・スネークを指導し、ザンジバーランド騒乱では彼をサポートしました。しかし、シャドー・モセス島事件の3日前にリキッド・スネークによって殺害され、リキッドがミラーに成り代わってスネークを欺くことになります。

人物像

ミラーは、頭脳明晰でサバイバル能力に長けた人物です。また、ビジネスセンスにも優れており、MSFを軍事ビジネスとして発展させようとしました。しかし、過去のトラウマから復讐心に囚われ、非情な決断を下すこともありました。陽気でユーモアのある一面も持ち合わせていますが、それは過去の姿であり、復讐に取り憑かれた後は、冷酷な人物へと変貌しました。ハンバーガーショップ経営という意外な趣味を持っていましたが、その経営手腕は必ずしも成功していたとは言えません。

カズヒラ・ミラーは、メタルギアシリーズにおいて、複雑な背景と葛藤を抱えた魅力的なキャラクターとして、多くのファンに愛されています。

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