マクロスΔ外伝 マクロスE

マクロスΔ外伝 マクロスE

『マクロスΔ外伝 マクロスE』（マクロスデルタがいでん マクロスエクストラ）は、一文字蛍による漫画作品。『マクロスΔ』の世界観を広げる外伝として、『マガジンSPECIAL』で連載されました。

概要

本作は、『マクロスF』と『マクロスΔ』の間、西暦2062年を舞台としています。物語は、『マクロスΔ』に登場する戦術音楽ユニット「ワルキューレ」のデビュー前、ヴァールシンドロームを鎮静化するための実験が開始された頃の出来事を描いています。

アイドルオタクのパイロットと、ある事情を抱えた女性アイドルがコンビを組み、彼女の父親であるマッドサイエンティストと対峙するという、三角関係の構図が特徴的です。戦闘シーンでは、バルキリーのバトロイド形態やマクロス艦の強攻型といった人型形態をメインに、近接格闘戦が繰り広げられます。

あらすじ

バジュラ戦役終結後、銀河各地でヴァールシンドロームが発生。惑星ピプレでも、巨大な鰻蟲（ウナムシ）が暴走する事態となります。ケイオスは、歌声にヴァール鎮静化の力があると期待し、アイドルグループ「スローンズ」を候補に選び、実証実験「プロジェクト・スローンズ」を開始します。

ケイオス・ピプレ支部のバルキリー部隊「エコー小隊」はスローンズの護衛を担当。新米パイロットの金城カイトは、スローンズのピリカ・ポリワノフの担当を命じられます。ピリカを熱烈に応援するカイトは有頂天になりますが、彼女の抱える悲しみと情熱を知り、ピリカを護るために奮起します。

ヴァール鎮圧実験が進む中、暴走した鰻蟲が人間の生活圏へ誘導されていることが判明。その陰謀を操っていたのは、カイトの仲間であり、ピリカの父である科学者イワン・ツァーリでした。イワンはプロジェクト・スローンズの分析から、自らの歌声にヴァールを活性化する力があることを知り、マクロス・エクストラを乗っ取り、ピプレの首都を襲撃しようとします。

カイトとピリカは、それぞれの因縁に決着をつけるため、バルキリーに乗ってマクロスEに突入。イワンは、幼き日の娘に対する歪んだ愛情を告白し、カイトに決闘を挑みます。激闘の末、カイトはイワンを打ち破り、ピリカの歌でイワンの心に愛を取り戻させますが、イワンは部下の銃弾に倒れます。カイトとピリカは、墜落するマクロスEからの生還を果たします。

設定

物語の舞台となる惑星ピプレは、入植15周年を迎えた移民惑星です。自転と公転が同期しているため、片面が常に照らされています。地域は熱極、温暖地帯、寒冷地帯の3つに分かれ、寒冷地帯には鰻蟲が生息しています。ケイオス・ピプレ支部は、惑星の警備任務にあたっており、ヴァールに対抗するため、「プロジェクト・スローンズ」を始動させます。

一方、イプシロン財団傘下のゼルガル重工は、フォールド因子受容体を保有する者の歌声が、ヴァール症候群の活性化・鎮静化に作用すると結論づけ、研究を進めています。

登場人物

金城カイト: ケイオス・ピプレ支部に所属するパイロット。アイドルオタクで、ピリカの追っかけをしています。
ピリカ・ポリワノフ: アイドルグループ「スローンズ」のメンバー。父イワンを恨んでいます。
イワン・ツァーリ: 科学者。ピリカの父で、ヴァールを操り支配者となる野望を抱いています。
ゾフィーティア・エルロ: エコー小隊の隊長。カイトの資質を評価しています。
ブラウ・ブルーム: スローンズのメンバー。戦場で歌うことに恐怖を感じています。

登場メカ

VF-171EX ナイトメアプラスEX: ケイオス・ピプレ支部に配備されている可変戦闘機。
VF-27 ルシファー: イワンが搭乗する漆黒の可変戦闘機。
ウィンドバルキリー: エルマが搭乗する緑色の可変戦闘機。
* マクロス・エクストラ: イワンが乗っ取る超時空要塞。

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