マグヌス4世 (ノルウェー王)

マグヌス4世シグルソンは、12世紀のノルウェー王であり、その波乱に満ちた生涯から「盲目王」として知られています。1115年頃にシグル1世の息子として生まれ、1130年に父王の崩御に伴い、叔父ハーラル・ギッレと共に王位を継承しました。しかし、この共同統治は長くは続かず、両者は対立を深めていきました。

1134年、マグヌスはフェーレヴの戦いでハーラルを打ち破るも、その後の対応を誤り、ハーラルに反撃の機会を与えてしまいます。ハーラルはデンマークからの支援を得てノルウェーに帰還し、1135年にはベルゲンを陥落させました。マグヌスは捕らえられ、目を潰され、去勢、さらに片足を切断されるという残酷な仕打ちを受け、王位を剥奪されました。以後、彼は「盲目王」と呼ばれるようになりました。

その後、マグヌスはニダルホルム修道院に幽閉されますが、1136年にハーラル・ギッレが暗殺されると、王位を主張するシグル・スレンベによって修道院から連れ出され、共同統治者として再び担ぎ上げられます。しかし、マグヌスとシグルは互いに協力することができず、軍を分割し、マグヌスはノルウェー東部へと向かいました。彼はミンネの戦いでインゲ1世の軍に敗れ、デンマークへと逃れましたが、そこで支持を得ることはできませんでした。

その後、マグヌスは再びシグル・スレンベの軍に加わりますが、ノルウェー国内での支持は得られず、盗賊のような生活を送ることになります。1139年、マグヌスはインゲ1世とシグル2世の連合軍と最後の戦いに臨み、オスロフィヨルドのホルメングラの海戦で敗北しました。この戦いで、忠実な護衛に抱え上げられたまま戦死し、その生涯を閉じました。マグヌスの遺体はオスロの聖ハルヴァード教会に埋葬され、エストフォル県のシェバルには、彼を記念する石碑が建てられています。

マグヌス4世の治世は、ノルウェーの内乱時代の幕開けとなりました。彼の悲劇的な運命は、中世ノルウェーの権力闘争の激しさを物語るものとして、今日まで語り継がれています。

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