マコードナガクビガメ

マコードナガクビガメ（Chelodina mccordi）について

マコードナガクビガメは、ヘビクビガメ科に属し、ナガクビガメ属に分類されるカメの一種です。この種は、インドネシアにあるロテ島に特有の生物であり、地域の生態系において重要な役割を果たしています。特にその独特な形態と生態が多くの研究者の関心を引きつけています。

分布

このカメは、インドネシアのロテ島にのみ生息しています。ロテ島の特有の環境で進化したため、他の地域では見られない独特の特徴を持つことが分かっています。この狭い分布範囲は、彼らの保全上の課題にもつながっています。

形態の特徴

マコードナガクビガメの最大甲長は約21.5センチメートルで、背甲は幅広い卵形をしています。特に第5椎甲板は、横幅よりも縦幅が広いため、他の種類との違いを際立たせています。また、第1縁甲板は第2縁甲板よりも小さく、成体では背甲の甲板に皺が見られることが多いです。色彩は黒や濃赤褐色で、腹甲は大きめに発達します。喉甲板と左右の喉甲板の間にある甲板の継ぎ目は、肩甲板と喉間甲板のシームよりも長いことが特筆されます。

幼体は孵化直後に、腹甲や首周りに黄色や橙色の斑点が見られることがあり、この段階の色彩はとても美しいものです。

二つの亜種が存在し、それぞれに特徴があります。

1. C. m. mccordi（ニシマコードナガクビガメ）
- 胸甲板と腹甲板の継ぎ目が直線的に第5と第6の縁甲板を繋げています。
- 後肢の開口部は第6縁甲板内縁にはかからない特徴があります。

2. C. m. roteensis（ヒガシマコードナガクビガメ）
- 胸甲板と腹甲板のシームが第5縁甲板に接し、腹甲後部の開口部が第6縁甲板内縁にはかかります。

生態と習性

マコードナガクビガメは、主に湖や水田、その周辺の水場に生息しています。この環境では動物食性を持ち、飼育下では魚や甲殻類を好んで食べることが知られています。彼らの食性は生態系において重要な位置を占めており、堆積物の分解を促進する役割も果たしています。

人間との関係

種小名である「mccordi」は、著名な動物学者であるBill Mccordにちなんで名付けられました。このカメは人間による食用やペット用の乱獲の結果、急激にその数を減らしています。特に1970年代から1980年代にかけて、中国への食用輸出が行われ、1980年代以降は欧米や日本にペットとして流通するようになりました。1997年にはインドネシア政府によって輸出が規制されたものの、依然として密輸が行われているとされています。

さらに、2005年にはワシントン条約附属書IIに掲載され、国際的な保護が求められる種となりました。日本においても飼育されたり、輸入されることがあり、特に過去にはニューギニアナガクビガメとして多く流通していましたが、現在は種類が分割されているため、亜種間の雑種個体も見られます。日本国内では、少数の飼育下繁殖個体が存在し、配合飼料にも適応しています。

マコードナガクビガメは、その魅力的な姿や独特な生態から、カメ愛好家や研究者にとって特別な存在となっている一方で、生息数の減少による保護の重要性を再認識させる存在でもあります。

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