マシマロ (奥田民生の曲)

奥田民生のシングル『マシマロ』

『マシマロ』は、奥田民生の10作目となるシングルで、2000年1月19日にソニーレコーズからリリースされました。このシングルは、当初はシングル候補には挙げられていませんでしたが、サントリーの「角瓶」CMとしてのタイアップが決まったことで、急遽シングルとしてカットされることになりました。結果として、この楽曲はヒットを記録し、奥田のキャリアにおいて重要な一曲となりました。

前作「月を超えろ」から約11ヶ月ぶりにリリースされたこのシングルは、奥田がずっと主張していた「楽曲より演奏を重視する」というスタンスのもとに作られました。ヒットしたことで彼は喜んだ反面、自己の楽曲「恋のかけら」や「月を超えろ」よりも売れたことに戸惑い、「自分にはヒット曲を狙って作ることは無理だ」と感じたとも語っています。この複雑な心情は、アーティストとしての彼の創作に対する姿勢を表しています。

収録曲とその内容

1. マシマロ [3:03]

この曲はサントリー「角瓶」のCMソングとして利用され、奥田が提案したタイトルが「マシマロ」でした。曲のタイトルがスピッツの楽曲に似ているという意見から名付けられましたが、歌詞を完成させた際には「マシマロ」というフレーズが実際には出てこなかったため、歌詞の最後にそれについての言及を記載しました。ミュージックビデオは、角瓶とJTのCMのパロディが含まれており、奥田が浅野忠信と同じ役を演じるというユニークなものでした。さらに、PUFFYや渡辺満里奈、当時エピックソニーに所属していた丸山茂雄なども出演していました。奥田自身の話によると、丸山は「おまえなんでエピックに来なかったんだ！」と、声の入らない未公開シーンで奥田を怒鳴っているという設定でした。この曲は、奥田の別荘に設けられたRCMスタジオで一発録りされました。

2. 怒りの別件 [2:11]

タイトルは「ドラゴン怒りの鉄拳」のパロディで、こちらも独特のユーモアが感じられる楽曲です。

3. 独裁者 [5:26]

こちらの曲はさらに重厚なメッセージ性を感じさせる内容となっており、奥田の卓越した作曲能力が感じ取れます。

参加ミュージシャン

• - 奥田民生 - ボーカル、ギター
• - 古田たかし - ドラムス、ハーモニー (#1)
• - 長田進 - ギター、ハーモニー
• - 根岸孝旨 - ベース、ハーモニー
• - 斎藤有太 - ピアノ、キーボード、ハーモニー

アナログ盤とトリビュート

シングル『マシマロ』はアナログ盤でもリリースされ、曲の収録コンテンツは非常に多彩です。また、トリビュートアルバム「奥田民生・カバーズ」には、木村カエラによるカバーが収録されており、彼女のベストアルバム『5years』にも登場しています。

関連作品

また、スカイウォーカーという漫画作品集の中には、この楽曲をモチーフにした作品が含まれています。これにより、音楽と漫画の境界が交差する新たな文化的表現が生まれ、奥田民生の楽曲が幅広いジャンルに影響を及ぼしていることが伺えます。

『マシマロ』のシングルは、彼の音楽キャリアだけでなく、日本の音楽シーンにおいても重要な役割を果たしています。

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