マシュリク

マシュリク：アラブ世界の東方を指す言葉

マシュリク（ٱلْمَشْرِق Mashriq）は、アラビア語に由来する言葉で、「日が昇るところ」を意味し、一般的に「東方」を指します。アラブ世界において、西方を意味するマグリブと対比して用いられます。

地理的範囲の曖昧さ

マシュリクが指す地理的範囲は、時代や文脈によって異なり、一定ではありません。通常は、エジプト以東のアラブ諸国、すなわち東アラブを指すことが多いですが、その範囲は曖昧です。

歴史的には、アッバース朝の首都バグダードを中心に見て、イラン東部や中央アジアを指すこともありました。マグリブの人々にとっては、マシュリクは東方の聖地マッカ（メッカ）や学問の中心地カイロといった、漠然とした地理的概念として用いられていました。

現代では、シリア地方やイラクを指す言葉として用いられることが多いですが、マグリブという地理概念と比較すると、マシュリクの範囲はより曖昧であると言えます。

マグリブとの比較

マグリブ諸国は、地理的にまとまっており、経済的・政治的な繋がりも緊密です。一方、マシュリクは、より広範囲な地域を指し、地域内の経済的・政治的な連携は、マグリブ諸国ほど緊密ではありません。

交通における地域連携

マシュリク地域では、交通インフラの整備を通じて地域連携を強化するプロジェクトが進められています。

アラブ・マシュレク国際道路ネットワーク
アラブ・マシュリク国際鉄道

これらのプロジェクトは、地域内の物流を円滑化し、経済発展を促進することを目的としています。

関連用語

肥沃な三日月地帯
メソポタミア
レバント
マグリブ

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