マジェスティック級戦艦

マジェスティック級戦艦

マジェスティック級戦艦は、イギリス海軍による前弩級戦艦の艦級であり、艦船設計においてその基本的な形を確立しました。この級は、ロイヤル・サブリン級の設計時に生じたさまざまな問題点を改善し、近代的戦艦への道を開いたとされています。設計主任官のウィリアム・ヘンリー・ホワイトによって設計されたこの艦級は、大日本帝国海軍の敷島型戦艦にも影響を与えたと言われています。合計9隻の同型艦が1895年から1898年の間に就役しました。

概要

この艦級は、ハーヴェイ・ニッケル鋼を採用したことにより、舷側装甲の厚さを前級のロイヤル・サブリン級の半分に抑えつつ、中甲板の高さまでカバー範囲を広げることができました。主砲は、新たに設計された密閉式の砲塔に収められ、攻撃力を大幅に向上させました。この海軍用の砲は、無煙火薬のコルダイトを装薬として使用し、35口径30.5cm砲（BL 12 inch Mk VIII naval gun）を搭載しています。このため、ロイヤル・サブリン級の30口径34.3cm砲よりもコンパクトで貫通力が約20%向上しました。また、初めて石炭と重油の両方を使用する混焼缶を搭載した点も注目されます。

ただし、揚弾筒は固定式であるため、給弾の際には砲塔を首尾線上に戻す必要があり、砲塔の形状は洋ナシ型となっています。後に造られた艦艇、シーザーとイラストリアスは、バーベットに揚弾筒を内蔵し、次級のカノーパス級戦艦と同じ設計が採用されました。さらに、この艦級は、最後に並列した煙突を持つイギリス戦艦のクラスとして知られています。その後のカノーパス級以降では、すべての煙突が中心線に配置されるようになりました。

戦歴

マジェスティック級戦艦は、1906年のドレッドノートの登場により、急速に旧式化しましたが、それでも全艦は第一次世界大戦においてさまざまな役割を果たしました。具体的には、輸送艦、砕氷艦、警備艦として運用され、多くの艦が戦闘を経験しました。特に1915年にはUボートによりマジェスティックが沈没しましたが、他の艦は艦歴を全うし、1920年前後にすべて解体されました。この艦級は、イギリス戦艦の中で第一次世界大戦に参加した最古参の艦級として記憶されています。

同型艦一覧

• - マジェスティック (1895)：堂々とした
• - マグニフィセント (1895)：壮大な
• - ハンニバル (1898)：古代カルタゴの将軍
• - プリンス・ジョージ (1896)：後の国王ジョージ5世
• - ヴィクトリアス (1896)：勝ち誇った
• - ジュピター (1897)：古代ローマの主神、または木星
• - マース (1897)：古代ローマの戦争神、または火星
• - シーザー (1898)：古代ローマの英雄
• - イラストリアス (1898)：輝かしい

参考文献

• - 「世界の艦船増刊第30集　イギリス戦艦史」(海人社)

このように、マジェスティック級戦艦は、設計理念や戦歴においてイギリス海軍の歴史に名を刻んでいます。

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